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薬物乱用よりも危ない大気汚染の恐怖 「PM2.5」深刻化で心疾患のリスク要因に

   日本人の死因でがんに次ぐ第2位が、心臓病などの心疾患だ。そのリスク要因は「高血圧」「脂質異常」「喫煙」「高血糖」の4つが挙げられる。

   だが、世界最大規模の医学関連学会である欧州心臓病学会(ESC)は2014年12月9日、「大気汚染」も無視できないレベルの要因だとする公式見解を発表した。

EUでは「なるべく車に乗らない」という対策も推奨されているが
EUでは「なるべく車に乗らない」という対策も推奨されているが

大気汚染で2010年に310万人死亡

   ESCが今回の発表をおこなった理由は、日本や米国、英国の研究機関が参加した国際共同プロジェクト「世界の疾病負担研究(GBD)2010」の調査結果だ。GBDは死亡や病気の原因、影響を世界規模で調査するもので、この中で2010年に大気汚染が原因の疾患で死亡した人は世界で約310万人おり、心疾患による死亡にも含まれていると報告されている。心疾患以外の疾病を含めた危険度の順位では、大気汚染は運動不足や塩分の過剰摂取、高コレステロール、薬物乱用よりも高い。

   大気汚染は一般的に喘息や気道炎、肺癌など呼吸器疾患のリスク要因として知られているが、実は心疾患のリスクである可能性も以前から指摘されていた。米国で1979~85年、25~74歳の白人8111人を対象として実施された「ハーバード6都市研究」をはじめ、大気汚染が健康に与える影響の調査が活発で、心疾患のリスクが上昇するとした複数の報告がある。欧州連合(EU)でも米国の研究を受けて、1992~2007年の間にフィンランドやスウェーデン、デンマークなどに住む約10万人を対象に調査する「ESCAPE Project」がおこなわれ、大気汚染に晒される時間が増加するほど心疾患の発症リスクが有意に増加すると報告されている。日本では大規模な調査はおこなわれていないものの、環境省や国立環境研究所によって大気汚染が心疾患の死亡に関連性があると示唆されている。

   ESCはGBDの報告に加え、各国の研究結果によって、大気汚染が心疾患のリスクになるという科学的な証拠(エビデンス)は十分に確保されたと考えているという。

この記事の監修・執筆医師

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