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マトリックスを組み直す『Fever 発熱について我々が語るべき幾つかの事柄』

かなり勉強になった

   本書は自分の経験値がない、乏しい領域、勉強不足の領域を明らかにするのにも有用で、あらためて自分の勉強不足に不明を感じた。ウェゲナーやチュルクがこんな名前に、、、といった博物学的なトピックには興味が無いのでそれは良いとして(感染症であっても興味が無い)、Fabry病のアプローチ、若年性特発性関節炎、ランゲルハンス細胞組織球症(p207より)、といった小児科疾患。Rosai Dorfman病みたいな炎症性疾患(459p)、angioimmunoblastic T cell lymphomaのようなへんてこなリンパ腫(489p)なんかはかなり勉強になった。

   本書は複雑で散文的な作りをしており、どのように読まれるかは「読み手がどういう人物か」によって大きく異なるだろう。ぼくが読んでふーん、と流したところに引っかかる読者はたくさんいるだろうし、ぼくが「へえ」と思ったところを「そんなの常識」と思う人も多いだろう。こちらの診療面のでこぼこを埋めてくれるように、多様な読み方をすればよいのではないだろうか。いずれにしても本書を読んで「何も得るものはなかった」という人は、超スーパー臨床医か、臨床にはまったく不向きな人のどちらかとぼくは思う。

   熱の方法論に完成形は(まだ)ない。本書を読んで、思索と議論のきっかけにすればいいんじゃないかな。

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