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【学会レポ】日本抗加齢医学会総会2015(4) 男の更年期対策 米国では皮膚に塗る方法が一般的

男性にも更年期の悩みがある
男性にも更年期の悩みがある

   女性は閉経期前後から女性ホルモンの低下に伴う更年期障害に悩まされることが多い。近年、男性にも同様の更年期障害があるとわかり、加齢男性性腺機能低下症(LOH症候群)と呼ばれている。テストステロン(男性ホルモン)の低下で、性欲が減退、疲労感、睡眠障害、うつ症状、自律神経失調症状が見られ、知的活動も低下する。体毛や皮膚の変化、筋力低下は著しく、骨減少による骨折などの危険も高まる。女性の更年期障害に対するエストロゲン(女性ホルモン)補充療法同様、欧米ではテストステロン補充療法が盛んだが、日本ではまだこれからといった段階だ。

   シンポジウム「知って得するテストステロンアップデート」では、欧米流の診断、治療を取り入れた試みが発表された。

米国では10年間で約4倍増

   順天堂大学医学部の久末伸一・准教授(泌尿器外科学)によると、日本では注射による補充療法のみが保険で認められているが、欧米では軟膏によるゲル剤が56%、パッチ7%と経皮吸収剤が中心で、注射剤は37%にとどまっている。久末准教授らは前任の帝京大学で62人のLOH症候群患者を2群に分け、比較臨床試験を行った。ゲル剤と偽ゲル剤を毎朝、陰部に塗布、12週間後に評価した。ゲル剤は心理、身体、性のすべての評価項目で有意に改善、経皮吸収剤の有効性を確認した。

   中島こうやクリニック(福岡県那珂川町)の中島孝哉院長は、簡便な唾液中のテストステロン検査を報告した。日本は血液検査で、唾液検査はまだ研究室レベルだが、欧米では広く使われている。中島さんはテストステロン注射後、およびテストステロン軟膏を1日1回、大腿部に塗布した患者の唾液を何回か取り、海外の検査会社に送って測定を依頼した。いずれも唾液検査は有効だったが、軟膏の場合は塗布する場所で検査値に差があり、塗布量が多くない場合は下顎部に塗るのが良いこともわかった。

   米国ではこの10年間でテストステロン補充療法が約4倍に増えたといわれている。それには唾液検査や軟膏塗布など簡便法の認可・普及が必要なようだ。

   座長の堀江重郎・順天堂大学教授(泌尿器外科学)は「唾液検査やゲル剤などについてご質問があれば私どもの教室に遠慮なくお尋ねください」と、普及を手助けする意向を明らかにした。(医療ジャーナリスト・田辺功)

医師・専門家が監修「Aging Style」

日本抗加齢医学会
シンポジウム4:「知って得するテストステロンアップデート」
座長:
堀江 重郎(順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学)
柳瀬 敏彦(福岡大学病院内分泌・糖尿病内科)
   
演者:
池田 康将(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部薬理学分野)
   「心血管疾患における男性ホルモンの意義」
田邉 真紀人(福岡大学病院内分泌・糖尿病内科)
   「各種アンドロゲン指標の中で血中総テストステロン低値は中高年男性メタボリックシンドロームを最も鋭敏に予測しうる」
中島 孝哉(中島こうやクリニック)
   「テストステロン補充療法における唾液検査の有用性について」

   「テストステロン薬剤の現状と今後(テストステロンゲルの無作為二重盲検試験)」
井手 久満(帝京大学医学部泌尿器科)
   「テストステロン補充療法は安全か」
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