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【学会レポ】日本抗加齢医学会総会2015(5) 見た目研究の最前線

   「人は形より心が大事、といいますが本当でしょうか」。抗加齢医学に何となく納得していないようなところもあるメディアの面々に、塩谷信幸・北里大学名誉教授は、学会併設の九州メディア懇談会で語りかけた。

見た目の研究は奥深い
見た目の研究は奥深い

   本の題名から「人は見た目が 9割」といった言葉も流行した。別の学会だったが、塩谷名誉教授は白雪姫やシンデレラの顔を思い切り不美人にした絵を示したことがある。ふしぎなもので、たしかに不美人だと正直、同情を呼ばず、物語にならない。

   同じ女性が20代、30代、40代...70代と老けていく。同じ魔女でも「美魔女」になれるかどうかは、30代、40代にかかっている。SST(シミ、シワ、たるみ)とくに、たるみがポイントだ。

   有名女優の写真を見ると、若い時は、ほほや顎が狭く、逆三角形が、加齢につれ、下部が広がって台形になってくる。顔の中心部の鼻や唇は骨と強い筋肉で維持されているが、眉、目、ほほなどの両側は支持組織がなく、筋肉の老化と脂肪のつき方で垂れてくるからだ。塩谷名誉教授は、容貌には骨そしょう症の影響も大きいことを示した。骨密度、ビタミンD、エストロゲンが重要だ。

皮膚老化を遅らせ若さを保つ研究成果に期待

   シンポジウム12「見た目研究の最前線」は具体的な研究報告だ。 同志社大学大学院アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授は、皮膚、容貌、体形の老化のうち、皮膚の「糖化ストレス」を取り上げた。たんぱくと糖が反応しできる「糖化最終産物」(AGEs)の蓄積が皮膚の老化の原因になる。米井教授らは糖化反応阻害作用を持つ食品を探究しており、サンシュユ、オリーブ、ザクロやヒシの抽出物はじめ多くの野菜やハーブ類が有効だと感触を得ている。

   山田秀和・近畿大学奈良病院教授(皮膚科)によると、機能性食品表示制度が発足し、見た目への効果は消費者に理解されやすくなる。ただし、見た目は皮膚表面だけでなく、汗腺、皮脂腺、神経線維、色素、皮下脂肪などにも関連する。どのようなエビデンスを取るかが重要と指摘した。

   奥田逸子・国際医療福祉大学三田病院放射線診断センター准教授は、顔の容貌は、下まぶたのふくれ、鼻唇溝が深くなる、ほほの垂れ腫れ、などで加齢するとし、MRI(磁気共鳴断層撮影)画像などを示し、その原因を解剖学的に解説した。加齢により顔の多くの表情筋が萎縮し、皮下の脂肪組織も萎縮、下降する。顔表面の筋膜は薄くなって伸び、じん帯や骨も変化する。

   アンチエイジング、見た目研究も奥深いものがあり、これからの成果が楽しみ、との期待を抱かされた。(医療ジャーナリスト・田辺功)

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日本抗加齢医学会
シンポジウム12:「見た目研究の最前線」
座長:
細川 亙(大阪大学大学院医学系研究科外科系臨床医学専攻器官制御外科学講座形成外科学)
中山 樹一郎(福岡大学医学部総合医学研究センター)

演者:
佐藤 健司(京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻海洋生物機能学)
   「コラーゲンペプチドによる線維芽細胞の活性化」
米井 嘉一(同志社大学大学院生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンター)
   「糖化ストレスと皮膚老化」
山田 秀和(近畿大学アンチエイジングセンター医学部奈良病院皮膚科)
   「機能性食品と皮膚老化」
奥田 逸子(国際医療福祉大学三田病院放射線診断センター)
   「顔面加齢のメカニズムを解剖学的・画像診断学的に考える」
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