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【緊急連載】今、注目したい紫外線とビタミンDの問題(上)

   ビタミンDは骨の形成や免疫、がん抑制効果などが期待され、子どもの健康にも影響すると注目されている。十分に補うには紫外線を浴びたほうがよいといわれているが、果たして本当か。巷に流れる情報と医療認識の違いについて、エイジングスタイル編集長の塩谷医師、皮膚医学の専門家で神戸大学名誉教授・再生未来クリニック院長の市橋医師、栄養学の権威で新宿溝口クリニック院長の溝口医師がそれぞれの立場から語り合った。2回にわたり連載する。

「学会などでもビタミンDに関するレポートが増えていますね」塩谷氏
エイジングスタイル編集長・塩谷医師:
「学会などでもビタミンDに関するレポートが増えていますね」

   塩谷 ここ数年、学会などでもビタミンDに関してのレポートが増えています。ただ、さまざまな説があり、私の中でも整理できていない部分が多く、今日はそのあたりもお話しいただければと思っています。ビタミンDの有効性について簡単に説明していただいてもよろしいでしょうか。

   市橋 ビタミンDはカルシウムの吸収や代謝に関係し、骨の形成に必要であるという部分が、最初に話題になりました。最近では、ビタミンDがナチュラルキラー細胞の活動とマクロファージの食作用を活発化させることで、免疫などにも働くといわれています。

「紫外線は皮膚細胞を傷つけるリスクの方が大きい」市橋氏
再生未来クリニック院長・市橋医師:
「紫外線は皮膚細胞を傷つけるリスクの方が大きい」

   塩谷 最近では、ビタミンDの働きは "ホルモン"と考えたほうがいいという話もありますが、そのあたりはどうなのでしょうか?

   溝口 ビタミンDをホルモンと考えたほうがいいといい始めたのは、細胞核内にビタミンD特有のレセプターがあることがわかってきてからですね。1990年代後半にはそういうレポートが出ています。ビタミンDは他のビタミンとは異なり、細胞や臓器に直接働きかける"ホルモン"のような活性化代謝物です。骨を強くするということだけでなく、各種ホルモンを円滑に働かせ、さらに、免疫系を活性化させ、さまざま感染症などにも有効だといわれています。また、最近では細胞増殖抑制作用もあるため、がんなどにも有効だという報告もされていますね。

「母親の栄養不足が乳幼児に影響するケースも」溝口氏
新宿溝口クリニック院長・溝口医師:
「母親の栄養不足が乳幼児に影響するケースも」

   塩谷 実際に、ビタミンDの必要摂取量はどのくらいですか? 国によっても基準は異なるようですが。

   溝口 日本では成人の場合、推奨必要摂取量は、男性が5.5マイクログラム、女性が5マイクログラムとされています。近年の研究で活性型とされるビタミンD3のほうが吸収率がよいといわれています。(まとめ・文/伊藤まなび)

   

   

■ ビタミンDが多く含まれる食品
・あん肝、カツオ、鮭などの魚介類
・天日干しの干しシイタケなどの乾物類
※魚介類は比較的多く含まれるので1回の食事量で国が推奨する必要摂取量を補える

■ ビタミンDの働き
1.小腸、骨に作用して血中カルシウム濃度を維持する
2.小腸粘膜上皮細胞へ作用して、細胞の成熟を促進
3.免疫系の活性化
4.細胞増殖阻害作用(がんを抑制する作用があるという報告も)

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 AACクリニック銀座 名誉院長

市橋 正光
市橋 正光(いちはし まさみつ)

神戸大学名誉教授・再生未来クリニック院長

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