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長時間寝ればいいわけじゃない! 医師が教える質の高い眠り方(上)

   食事や運動とならび、アンチエイジングに不可欠な睡眠。しかし年齢とともに眠りに関する悩みは増えていきます。大切なのは量より質。年齢に合った「質の高い睡眠」のヒントを2回に分けて紹介します。

眠りにはリズムがある

   「質の高い睡眠」とは、どのようなものでしょうか? 睡眠には、眼球が動き、脳は働いているものの体は休んでいる状態の「レム睡眠」と、眼球は動かず、脳も休息して深い眠りに入っている状態の「ノンレム睡眠」の2種類があります。ノンレム睡眠にはごく浅いものから深いものまでいくつかの段階があり、入眠後、ごく浅い睡眠からはじまり、次第に深くになり、また浅い状態を経て、レム睡眠に入るというサイクルを1セットとして、朝目が覚めるまでにこのサイクルを何回か繰り返します。

睡眠にも周期がある
睡眠にも周期がある

   また、睡眠中には脳の松果体(しょうかたい)からメラトニンというホルモンが分泌され、脳の体内時計に働きかけて、眠りのリズムをつくります。光によってコントロールされるメラトニンは夜、暗くなると分泌が促されます。就寝後、体温が下がると分泌量はピークを迎え、脳は熟睡モードになります。その後徐々に減少し、翌朝日の光を浴びるとメラトニンは激減。脳は覚醒モードに切り替わります。

   質の高い睡眠をとるには、眠りのサイクルとリズムを整えることがポイントです。

美肌にもダイエットにも大切な睡眠

   メラトニンは細胞の酸化を防ぎ、免疫力を高めて新陳代謝を促す若返りのホルモンとしても注目されています。脳や精神面のサポートにも必要で、認知障害やうつ病予防にも役立ちます。

   また、睡眠中にはメラトニンだけでなく、女性ホルモンや男性ホルモン、成長ホルモンなどさまざまなホルモンが分泌されます。なかでも体の機能を正常に保ち、傷ついた細胞を修復・再生してくれる「成長ホルモン」は、美しい肌や髪を保つだけでなく、脂肪を分解して肥満を防ぐ働きも。成長ホルモンの脂肪分解力は1日当たり約300キロカロリー。しっかり眠れていないと、成長ホルモンの分泌量は通常の3分の1ほどに減ってしまいます。

   また、睡眠不足でストレスを感じると、脂肪を溜め込む性質のあるコルチゾールというホルモンが分泌されます。さらに、睡眠不足は食欲をコントロールする2つのホルモン、グレリンとレプチンのバランスを崩します。空腹感を促すグレリンの分泌量が増え、食欲を抑えるレプチンの分泌量が低下するため、過食を増進します。

   美しく、健康に年齢を重ねるために睡眠が欠かせない理由は、睡眠とホルモンとの深い関係にあるのです。

   次回は、質の高い睡眠をとるための具体的な方法を紹介します。

医師・専門家が監修「Aging Style」

参考文献
『アフター更年期からの不調を治す50の習慣』浜中聡子/著(主婦の友社)
『読むだけでグッスリ眠れる快眠セラピー』三橋美穂/著(KKロングセラーズ)

この記事の監修・執筆医師

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