文字サイズ
標準
大きく

「インフォームド・コンセント」の落とし穴

「インフォームド・コンセント」という言葉が使われ始めて20~30年になるでしょうか
「インフォームド・コンセント」という言葉が使われ始めて20~30年になるでしょうか

   医療の現場で「インフォームド・コンセント」という言葉が使われ始めてもう20~30年になるでしょうか。今はもう日本語になってしまった感がありますが、強いて訳せば「納得ずくの医療」ということでしょう。

   それまでは、医師が治療方針を決めて、一方的に患者に押し付ける、いわゆるパターナリスティック(父権主義的)の医療でした。

   それがアメリカでバイオエシックス(医の倫理)という学問が生まれ、患者と医師が対等に話し合うことの必要性が強調されるようになりました。医師は診断と治療方針について事実と判断を全て開示し、その治療を受けるか否かの決定権は患者に持たせるという方向へ進んだのです。

   というと聞こえはいいのですが、問題は二つあります。
まず、診断でも治療でも、選択肢がいくつもあって、医師も決めかねることが多々あります。その判断を医学知識のない患者に決めさせるというのは、いささか無理があるのではないかと思うのです。

   もう一つの問題は、「インフォームド・コンセント」は訴訟大国のアメリカでは、医師が自らを守るために使われる傾向があることです。確率的にはほとんど問題がないようなリスクでも全て列挙し、何か起こった場合でも、それは承知の上で患者が選んだのではないか、と逃げ口上に使えるからです。

   とは言うものの、これからは患者にも「医療リテラシー」が必要であることは間違いありません。その上で、納得の行くまで患者は医師と話し合い、信頼関係を構築することが何より大切です。

   その見地からは、「インフォームド・コンセント」という考えが導入され、今までの「父権主義」の一方通行的なバリアが取り除かれたのは望ましいことです。[執筆/塩谷信幸 北里大学名誉教授、アンチエイジング医師団代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 AACクリニック銀座 名誉院長

注目情報

有益で確かな情報をお届けするという編集方針です。

偽薬と認識したうえでの服用効果の研究は珍しい。

笑っただけで「あっ!」「出ちゃったかも」

11月11日現在、50名の医師や専門家が「Aging Style」に参加しています!

おすすめ記事
関連サイト

独自の視点でビジネス&メディアをウォッチ。毎日更新。

J-CASTニュース

セール、クーポンから新商品情報まで、その日に使える掘り出しもの情報満載!

東京バーゲンマニア

都道府県を自動判別する日本初の地域ポータルサイト

Jタウンネット