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就職活動の「受験化」と幸福な医学生、そして時間について

   就職活動がどんどん前倒しになり、多くの大学生は大学入学時点から就職活動を開始しなければならないという。サークルに入るときも「就職に有利なサークルはなにか」と問われるくらいだと聞くから、相当なものだ。かつて受験戦争時代は「大学に入学する」ことが目的であり、大学で何をするのかは一切問われない時代であった。現在は大学は「就職するための手段」に堕しており、よって大学で何をするのかは一切問われない(就職に有利になること以外は)。昔が良かった、とは思わない。今も昔も大学にいることは目的ではなかったのだ。多くの大学生にとって。

遠いゴールに向かってダッシュする人はいない

岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)
岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)

   文科省からして大学を就職後の準備機関として扱うよう教唆しており、就職や実務に役に立たない勉強は不要であるとまで考えられるようになっている。前に書いたサインコサイン話もその延長線上にある。

   昔は高校の勉強が「大学に入るための辛抱」として行われ、大学に入れば就職してバラ色の人生レールにのっかる、というシナリオだった。今は受験で辛抱しても、やはり大学で就職活動に辛抱しなければならない。就職活動の「受験化」である。かりに就職できたとしても、そこには終身雇用もなければ、そもそもその企業の存続すら約束されていない。よってどこまでいっても「ここに乗れば大丈夫」というレールはない。それでも大学生たちは将来のための投資として資格をとったりするのに汲々としている。人生が、「永遠に未来のための投資」になってしまっているのだ。

   人が「未来のために」活動している時、その活動は全力のものとはなりえない。長い長いむこうにあるゴールのことを考えながら、全速力の短距離走などできるわけはない。だから、マラソン的な活動になり、果てはジョギング的な活動となる。そんなに遠い先のゴールのためにパワー全開でいつづけることはできないのだ。よって、だらだらと時間を浪費しながら、パワーセーブを続けたままで生きていく習慣ができる。

この記事の監修・執筆医師

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