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トランス脂肪酸「うわさの真相」に迫る 日本で「規制対象外」なのはなぜ

マーガリンをバターに換えたら?

   トランス脂肪酸といえば、マーガリンを思い浮かべる人が多いだろう。食品安全委員会の調査によると、日本で市販されているマーガリンには100グラム中に平均7グラムのトランス脂肪酸が含まれている。近年では企業努力によって低減されており、たとえば雪印の「ネオソフト」は100グラム中0.8グラムで平均を大幅に下回っている。トースト1枚に塗る量を10グラムとすると0.08グラム。一方、バター10グラムにはトランス脂肪酸が平均0.2グラム含まれており、ものによってはマーガリンよりもトランス脂肪酸を多く含む。トランス脂肪酸はほかにも植物油、コーヒークリーム、ケーキ、パン、ビスケット、スナック菓子、マヨネーズ、カレールーなどさまざまな食品に含まれている。

   2005年にカナダが、2006年に米国がトランス脂肪酸を栄養成分表示に追加することを義務付け、南米諸国にもその波が広がった。アジアでも韓国や台湾、香港では表示が義務化されている。また、デンマークやスイス、オーストリアではすべての食品の油脂中のトランス脂肪酸含有率を2%に制限している。米国内でもニューヨーク市とカリフォルニア州では制限が設けられている。

   各国で対策が進むなか、日本ではこれまでのところ規制や表示の義務はない。その理由は日本人のトランス脂肪酸摂取量が諸外国と比べて少ないことにある。食品安全委員会が行った調査(2006、2010年)によると、日本人の1日あたりの平均的なトランス脂肪酸摂取量は平均0.7グラム。総エネルギー摂取量の0.3%で、WHO(世界保健機関)が目標とする「総エネルギー摂取量の1%未満」であり、通常の食生活では健康への影響は小さいことが報告されている。このため規制や表示の義務はないが、ホームページなどで自主的にトランス脂肪酸の含有量を公開している企業もある。

この記事の監修・執筆医師

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