文字サイズ
標準
大きく

「外科医の資質」を考える(下)判断力について

   外科医の資質でもっとも大切なのは「判断力」といえるでしょう。

   一つの疾患でも手術法はいろいろあります。まずは切開線の入れ方、病気の臓器の切除範囲、その繋ぎ方など。外科医は手術前にありとあらゆる方法を検討し、その中で最適と思う方法を選びます。

もっとも大切なのは「判断力」
もっとも大切なのは「判断力」

   ただ、手術を始めてから分かることもありますが、どのような事態でも全て想定範囲内にあるべきで、とっさに準備しておいた選択肢に切り替えます。

   さらにいえば、そもそも「手術をすべきかどうか」も、大切な判断の一つです。現行の保険では、「手術をしない」と判断した場合、外科医の報酬はゼロに等しい。だが、「手術をしない」という判断自体も、手術と同様に重要な診療行為と考え、場合によっては手術に匹敵する診断料が支払われてもよい、と考えてしまうのは、アメリカ的な思考かもしれませんが。

   ところで外科医も年をとれば、視力も衰え、人によっては手の震えもきます。明らかに認知症のサインが出ても、本人は無自覚ですから、当事者が教授の場合、誰が首に鈴をつけるか、弟子たちが躊躇している間に悲劇が起こることもないとはいえません。その意味では、他の診療科以上に定年は深刻な問題です。

   勤務医の定年は60~65歳ですから、その辺りが一つの引き時という考えもあります。ただこれには本当に個人差があり、90歳近くまでメスを握っておられた名医もいらっしゃいます。

   また、判断力に限っていえば、経験がものをいいますから、歳を重ねるほどに優れていくという面はあります。この経験をどう生かすかが、今後の課題といえましょう。[執筆/塩谷信幸 北里大学名誉教授、アンチエイジング医師団代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 AACクリニック銀座 名誉院長

注目情報

有益で確かな情報をお届けするという編集方針です。

2015年の世界の平均寿命は71.8歳、健康寿命は62.8歳となった。

意外と知らない薬の基礎知識をクイズで学びましょう。

11月11日現在、50名の医師や専門家が「Aging Style」に参加しています!

おすすめ記事
関連サイト

独自の視点でビジネス&メディアをウォッチ。毎日更新。

J-CASTニュース

セール、クーポンから新商品情報まで、その日に使える掘り出しもの情報満載!

東京バーゲンマニア

都道府県を自動判別する日本初の地域ポータルサイト

Jタウンネット