文字サイズ
標準
大きく

歯から始めるエイジングケア(上) 「歯周病」ってどんな病気?

心臓病や早産リスクとの関連も

   プラークは歯周病の直接的な原因となりますが、それ自体が骨を溶かすわけではありません。歯周病は、プラークに含まれる病原菌と、体を守る細胞とが戦った結果、進行する病気です。つまり、私たちの体に備わっている生体防御反応が引き起こすのです。

   この生体防御反応が起きた時に、炎症に反応して放出された物質が血流に乗ってほかの臓器に悪影響を及ぼすことがあります。また、歯周ポケットの内側には無数の傷があり、そこから病原菌が体内に侵入し、血液に乗って体中を巡り、あちらこちらで悪さをするのです。

   歯周病が関係しているとされる病気には、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの心血管疾患や、糖尿病、リウマチなどがあります。高齢者の場合は、誤嚥性肺炎や細菌性肺炎のリスクが高まります。また、妊婦が重度の歯周病を患っている場合、早産や低体重児出産のリスクが高まることも報告されています。

   歯周病の初期である歯肉炎の段階でしっかりとケアをすれば、症状はおさまります。また、歯周炎になっても軽度であれば、治療によって進行を防ぐことができますが、重度になると治療そのものが難しくなる場合もあります。なるべく早い段階でのケアや治療が必要です。

   また、歯周病の原因にはプラークに含まれる細菌のほかに、遺伝的な要因と、喫煙やストレス、不規則な生活などの環境的な要因が間接的にかかわっています。歯周病は細菌による感染症であるとともに、生活習慣病でもあるのです。日ごろの口腔ケアはもちろん、生活習慣の見直しも大切です。

   次回は、歯周病の治療法とセルフケアの基本について説明します。[監修:和泉雄一 東京医科歯科大学教授・歯周病学]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

注目情報

有益で確かな情報をお届けするという編集方針です。

「バリウム検査」は何のため?

2019年4月現在、50名の医師や専門家が「Aging Style」に参加しています!

おすすめ記事