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トンデモ本には気をつけよ

しっかりと考えて常識を働かせましょう
しっかりと考えて常識を働かせましょう

   高齢化社会に突入して健康への関心が高まったのか、今テレビでも雑誌の特集でも、医療ネタが大流行りです。

   医師でも専門外のことは、このような啓蒙番組で最新情報を知ることもあり、決して悪いことではないのですが、中には面白半分のものや、いかがわしい宣伝も混在しています。

   中でも我々が対処に悩むのは、いわゆる「トンデモ本」の類です。

   医者に殺されない方法とか、検診は無駄であるとか、糖分は人類の敵だとか、ま、おどろおどろしいタイトルで無辜(むこ)の読者をたぶらかそうとしています。

   これは出版社の販売戦略に医者が踊らされているのか、結託しているのか、いずれにせよ、いったんこれで売れ始めると、さらにエスカレートさせ続けることになります。

   ご当人たちは、本が売れさえすればいいと割り切っておられるのかもしれませんが、それだけ医療を貶(おとし)め、医師を誹謗したいのなら、医師免許を返上してからおやりになったら、と言いたくなります。

   これらの戦術が悪質なのは、
(1) 内容の全部が嘘ではなく、2、3割は本当の部分もある。ただそれは本筋と関係のない部分だが、これが間違いの部分も正当であるような印象を与えます。一種の詐術ですね。
(2)今一つの詐術は、ある医療行為に関して1割の問題点があるとしましょう。当然ながら9割の患者はその行為で救われているわけです。だが彼らは、その1割をもって肝心な9割を否定していることです。
(3)本気でそう信じて指導される医師もおられるのかもしれませんが、中にはスキャンダルも売り上げにつながるとして、根拠に乏しい反論で売名を図る方もおられるようです。
(4)そして一部の信奉者は、彼らを大学や守旧派の権威に刃向かう正義の騎士と勘違いし、応援はエスカレートしがちです。
(5)このような情勢の中では、心ある医師たちも反論すれば逆に彼らを利するような論争になりがちなので、発言を控えてしまうことになります。

   ま、皆さん。しっかりと考えて常識を働かせましょう。何に限らずこれで全て解決とか、これさえ排除すれば全てめでたし、などこの世にはありえないのですから。トンデモ情報に惑わされないようにするのためには、何が必要か、それについては改めて書きたいと思います。[執筆/塩谷信幸 北里大学名誉教授、アンチエイジング医師団代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 AACクリニック銀座 名誉院長

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