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大村智さん開発のイベルメクチンに意外な効果 胆管がん腫瘍の縮小をマウスで確認

イベルメクチンに抗がん作用も(九州大学プレスリリースより)
イベルメクチンに抗がん作用も(九州大学プレスリリースより)

   九州大学生体防御医学研究所の西尾美希助教授、鈴木聡教授らの研究チームは、九州大学病院別府病院、産業技術総合研究所との共同研究で、「胆管がん」の原因遺伝子を特定したと発表した。

   2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞している大村智北里大学特別栄誉教授が開発した、抗寄生虫薬「イベルメクチン」が肝内胆管がんの治療薬となりうることも、発見したという。

   胆管がんは肝臓のがんである「肝がん」の中でも特に予後の悪い、胆汁の通り道にできるがん。「肝細胞がん」などに比べ治療法が少なく、新規治療法の開発が待たれている。

   研究チームは「MOB1」という遺伝子が欠損し、「YAP1」というたんぱく質が過剰に発現しているマウスは、肝細胞がんを発症するとした研究が発表されたことに注目。胆管がんも発症するのではないかと推測し、人為的に肝臓内のMOB1を欠損させたマウスを調査したところ、YAP1が増加し、胆管がんを発症した。

   さらに、すでに胆管がんを発症している患者の組織を調査すると、マウスと同様にYAP1の増加が確認できたという。

   YAP1が活発になると、がんの腫瘍も大きくなっていたことから、YAP1を抑制する作用を持つ抗がん剤や薬品を分析したところ、イベルメクチンや「ミルベマイシン」という抗寄生虫薬が有効であることも発見。胆管がんのマウスに投与したところ、がんの腫瘍が縮小した。

   ただし、抗がん作用を示す投与量は、寄生虫治療薬として使用する際の濃度よりも高く、今後安全性を検討するとともに、より有効濃度の低い類似薬剤の調査も実施していくという。

   発表は、米国科学アカデミー紀要オンライン版「roceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」に、2015年12月21日掲載された。

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