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エステの効用

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   三つ目はエステとのコラボである。

   美容外科に手を染めるようになって、ある時僕はふと気がついた。

   我々は手術がすべてだが、患者はそうじゃないんじゃないだろうか。誰にしても決して手術はありがたくはない。しかし患者さんが我々のところに来るときは、考え抜いたあげく、自分をきれいにするにはこれしかないと、思いこんでくるわけだ。

   しかし、と僕は思った。

   その前にまだまだやれることがあるのではないか。たとえばお化粧。

   もし、メイクでごまかせるものなら、それに越したことはない。

   手術は危険を伴うし、元には戻せない。また、女性なら必ずお化粧はする。手術の切開線一つとっても、メイクを前提としてデザインした方が、遙かに隠しやすいのではないだろうか。

   また、お化粧以外にも、エステ、メイク、服飾、髪型等手術前に総動員して、検討できることはいくらもあるのではなかろうか。

   またその中には当然、心理カウンセラーも含まれることは昨日の述べた通り。

   その上で、ここだけはどうしても手術でしか解決できません、と煮詰まったところで我々の出番になれば、どんなに無駄な危険を冒さずに、またこちらも安心して手術に踏み切れるのではないだろうか。

   こうして、カネボウやポーラなど化粧品会社の協力で、エステティシャンを派遣していただくこととなった。そのころカネボウの研究所には、吉田さんという研究熱心な所長さんがおられた。面白いですね、ということで、外来の一室がサロンではないが、こぎれいな施術室に変貌した。

   こうしてリハビリメイクという、新しい試みが始まった。

   このエステとの共同作業は二つの副産物をもたらした。

   まず、術後のスキンケア特にマッサージは、傷跡の治りによいことがわかった。傷跡はしばしば赤く盛り上がるものだが、これがマッサージで早く平らに柔らかになる。また、皮膚移植の跡も早くなじんでくれる。

   また、フェーシャルを受けることが、カウンセリングの効果があることもわかった。我々は手術が中心で、どうしても十分に患者との話に時間が割けない。診察室では緊張して、患者も聞きたいことが聞けない。

   それが、エステの施術室でエステティシャンに30分ほど、ゆっくり顔などマッサージしてもらっているうちに、身も心もリラックスして、気楽に悩みをうち明け、施術者の優しい対応で、心が満たされていく場合がしばしばあった。

   エステが効果を追及すればそれだけ医療の分野に踏み込むことになり、また、医療もアンチエイジング、代替医療といった新しい分野を開拓するにつれ、エステによるリラクゼーションは重要な武器になる。

   これから医師とエステの接点は、広がる一方であり、両者の協力体制がもっともっと、推進されれば患者さんやエステの顧客に大して、よりクオリティの高いサービスが提供できると信じているからである。

アンチエイジングブログ!
http://blog.excite.co.jp/shioya-antiaging/

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 AACクリニック銀座 名誉院長

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