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何度も繰り返す「赤ら顔」に要注意! クリントンやダイアナ妃も患っていた「酒さ」とは?

早めの治療がカギ

   酒さの原因は解明されていないが、米国皮膚科学会によると、遺伝や免疫システム、ピロリ菌、毛包虫(毛穴や皮脂腺に寄生するダニ。ニキビダニともいう)などが関連していることがわかっている。また、最近の研究では、遺伝による要因と、紫外線や加齢、肥満、喫煙、飲酒、心疾患、皮膚がんなどの環境要因が半々に関係しているとする報告がある。

   完治する方法はないが、早めに対処することで症状を軽度におさえることはできる。酒さのタイプや悪化させる要因は人によって異なるため、まずはその要因を取り除くことが必要だ。悪化させる要因としては、日光、香辛料などの刺激物、アルコール、ストレス、刺激性の外用薬、発赤・血管拡張を助長する薬物、更年期などがあげられる。これらの個々の要因や、その人の症状を考慮したうえで、治療には一般に、外用薬や内服薬、レーザー療法などが用いられる。

   しかし、日本では酒さに対する認知度が低いことや、明確な診断基準がないこともあり、皮膚科を受診しても、脂漏性皮膚炎や接触皮膚炎、ニキビ、光線過敏症など、類似の症状が見られるほかの疾患と間違われるケースも多い。ステロイド剤の副作用による「酒さ様皮膚炎」という疾患もある。さらに、酒さを発症している人が、アトピー性皮膚炎やかぶれなど、ほかの皮膚疾患を併発している場合もあり、診断は難しい。酒さとわからないまま悪化させてしまうケースも。

   過去に酒さと診断された患者48人を対象にしたある調査では、半数以上の人が症状を抱えたままで、発症してから平均13年たっていた。残りの人は症状が消えたものの、治るまでに平均9年の月日を要している。いったん発症すると、長い間付き合っていかなくてはならないのが、酒さの怖さともいえる。

    また、最近の研究では、酒さは高脂血症や高血圧症、代謝性疾患、心血管系疾患、消化器逆流性疾患といった全身性の合併症を発症するリスクが高いという報告も。ただの「赤ら顔」と放っておくと、深刻な事態を招きかねない。気になる症状があるときは、早めに専門医に相談しよう。[監修:山田秀和 近畿大学医学部 奈良病院皮膚科教授、近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長]

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