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一杯のコーヒー

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   ロハス、スローライフといった言葉がはやり始めるずっと以前、中学時代にスローライフを教えてくれたのは、その後日銀に入り今も金融界で活躍しているWである。

   几帳面な親にしつけられ、何事にもせっかちだった僕はある日、コーヒーを飲みながら彼の不思議なクリームの入れ方に気づいた。

   ガバチョとクリームを落とし込まず、カップの縁からゆっくりと流し込み、コーヒーの上に白い渦が廻っていくのを眺めている。

   飲む時も、スプーンでかき混ぜたりせず、白と茶の二層のままゆっくりとコーヒーを味わっている。

   "気分でねぇー"というのが彼のお気に入りの科白だった。

   大学時代、彼とは軽井沢で一緒に夏をすごしたり、九州も二人で一周した。予定など立てない、立てても意味はない。すべてそのときの気分で決まる。

   紀伊の瀞八丁を船で下った時など、月光に浮かぶ山頂の宿を見て、"俺、今晩はあそこに泊まる"と急に船をおり、数日後大阪で合流したこともある。

   絵が好きで、中学時代からセザンヌ張りの絵を描いて、絵の教師から高く評価されていた。"君たちには分からんだろうが"、というのが教師の褒め言葉だったのを覚えている。

   ボナールの絵の良さも彼から教えられた。

   彼はは中学2年の時、自動車事故で両親をなくしている。なのに弟妹を立派に育て、自身も立派に就職した大物である。自分の気持ちを尊重すること、そしてすべてをゆとりを持って楽しむ点で、人生の達人ともいえる。

   彼を知らなかったら僕は随分と味気なく人生を駆け抜けたろうと、コーヒーにミルクを注ぐたびに彼に感謝する。

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http://blog.excite.co.jp/shioya-antiaging/

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 AACクリニック銀座 名誉院長

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