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糖尿病の原因はインスリンの低下だけではなかった? カリフォルニア大学、北里大学、1型糖尿病の新しい抗原を発見

カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部小児科准教授 児玉桂一氏
カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部小児科准教授 児玉桂一氏

   米カリフォルニア州カリフォルニア大学の児玉桂一博士をはじめとする、スタンフォード大学、コロラド州バーバラ・デイヴィス小児糖尿病センター、北里大学による共同研究チームは、2016年3月16日、1型糖尿病の新しい抗原を発見し、この抗原がすい臓の「α細胞」で発現していたと、米糖尿病学会誌「diabetes」で発表した。

   これまでα細胞は1型糖尿病には関係していない部分と考えられており、糖尿病の概念が大きく変わる可能性もある。

   1型糖尿病は、すい臓にある、血糖値を低下させる「インスリン」を分泌する細胞「β細胞」が、ウイルス感染などをきっかけに、免疫系が正常な細胞や組織まで攻撃してしまう「自己免疫現象」で破壊され、インスリンが作られなくなることで発症するとされている。生活習慣が原因となる2型糖尿病と異なり、子どもにも発症例が多く見られ、「小児糖尿病」とも呼ばれる。

   研究では、300人以上の1型糖尿病患者の血清サンプルや1型糖尿病を発症したマウスの遺伝子の解析をおこない、健康なサンプルと比較。自分の細胞や組織を攻撃している「自己免疫」の攻撃対象である「抗原」を調査した。その結果、「ビタミンD結合たんぱく(VDBP)」という新たな抗原が発見されたが、この抗原は「β細胞」ではなく、血糖値を上昇させる「グルカゴン」を分泌している「α細胞」に存在していることもわかった。

   近年、インスリンとグルカゴンのバランス崩壊が、糖尿病の原因だと示唆する研究も発表されているが、今回の研究結果は、1型糖尿病発症にα細胞、もしくはグルカゴンが一定の役割を果たしていることを示すものとなる。

   児玉博士は「この抗原がどの段階で糖尿病発症にかかわっているか、さらに検証する必要がある」としているが、研究が進むことで抗体測定による糖尿病発症予測や、抗原注射による予防接種などを実現できる可能性もある。

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参考論文
Expression-based Genome-Wide Association Study Links Vitamin D Binding Protein with Autoantigenicity in Type 1 Diabetes
DOI:10.2337/db15-1308

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