文字サイズ
標準
大きく

認知症予防・改善の切り札になるか? 患者と家族を救う「臨床美術」

「心地よいストレス」がアートの効果

   過去の研究でも、認知症予防によいとされる余暇活動の中で、もっとも効果が高かったのはアートだという報告がある。

   米メイヨークリニックの研究チームが2004年から約4年間行った調査によると、観劇や映画、友人との交流などの「社会的活動」、ウェブ検索やネットショッピングなどの「インターネット活動」と比べ、絵画や彫刻などの「アート」は認知症の発症リスクが低かった。(2015年4月8日「Neurology」オンライン版)

   この研究結果に対し大城氏は、「創造的であること」、「達成感が自信につながること」に加え、「心地よいストレスがあること」が、アートの持つ認知症予防効果の理由と見ている。

   東北福祉大学における大城氏らの研究では、認知症の予防・進行抑制のための活動として、リラックスして楽しむだけでは効果が薄いことが分かっている。

   「作品を創る時は、何色が合うだろうか、ここの構図はどうしようかなど、選択と決断の連続。認知症予防には、こうした適度なストレスも必要なのです」

   アートには正解はない。とはいえ、多くの人は画材を渡され、「自由に描いてください」と言われても、手が止まってしまうだろう。臨床美術を用いたケアには、専門家による指導が不可欠だ。2000年に設立された日本臨床美術協会では、専門的な訓練を受けた合格者を臨床美術士として認定しており、東北福祉大学をはじめ、東京藝術大学、京都造形芸術大学など多くの大学が臨床美術士の養成に力を入れている。[監修:大城泰造 東北福祉大学准教授 感性福祉・臨床美術専攻]

医師・専門家が監修「Aging Style」

注目情報

有益で確かな情報をお届けするという編集方針です。

「バリウム検査」は何のため?

2019年4月現在、50名の医師や専門家が「Aging Style」に参加しています!

おすすめ記事