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結核治療薬「リファンピシン」に認知症予防効果 大阪市立大、マウス実験で確認

既存薬の新たな効果の発見が続いている(画像は大阪市立大学プレスリリースより)
既存薬の新たな効果の発見が続いている(画像は大阪市立大学プレスリリースより)

   結核やハンセン病の治療薬「リファンピシン」に、認知症を予防する効果があることをマウス実験で確認したと、2016年3月29日、大阪市立大学、金沢大学、富山大学、米イリノイ州ノースウェスタン大学による共同研究チームが発表した。

   認知症には「アルツハイマー病」や「前頭側頭型認知症」「レビー小体型認知症」などいくつか種類がある。それぞれ、「アミロイドβ」「タウ」「αシヌクレイン」といったたんぱく質が、脳内で「オリゴマー」と呼ばれる数分子~数十分子の小さな集合体を形成し、神経細胞の機能を阻害することで発症すると考えられている。

   これまでの認知症研究では、オリゴマーを除去する治療薬の開発が進められていたが、発症後にオリゴマーをいくら除去しても、すでに多くの神経細胞が死んでしまった後では、手遅れであることが判明。現在は、治療よりも予防に重点を置いた予防薬の開発が主流になりつつあるという。

   共同研究チームは、先行研究でオリゴマーの細胞内蓄積を抑える可能性があるとされた既存薬剤5種類を、オリゴマーを蓄積しやすいサルの細胞に投与したところ、リファンピシンの効果が最も強いことを確認。

   さらに、人為的にアルツハイマー病を発症しやすくしたモデルマウスに、リファンピシンを1日0.5~1ミリグラム、1か月間経口投与したところ、未投与のマウスに比べ脳内のオリゴマーが減少し、シナプスも回復。迷路を使った空間や位置の記憶実験も、通常のマウスと変わらない成績になっていた。

   リファンピシンを服用していたハンセン病患者は、認知症発症頻度が低いとする報告もあり、大阪市立大の富山貴美准教授は、一部の患者で発生する肝障害や薬物相互作用といった重篤な副作用を解決できれば、認知症発症リスクの高い未発症者への発症阻止薬として利用できるのではないかとコメントしている。

医師・専門家が監修「Aging Style」

参考文献
Rifampicin is a candidate preventive medicine against amyloid β and tau oligomers.
DOI: 10.1093/brain/aww042 PMID: 27020329

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