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ブタからヒヒへ異種間心移植成功 心臓は過去最高の2年半、正常に機能

ブタが人間のドナーになる日が来るか(写真はイメージ)
ブタが人間のドナーになる日が来るか(写真はイメージ)

   米国立心肺血液研究所は、ブタの心臓を移植したヒヒの生存日数が、これまでの異種間移植の記録を大幅に上回り、945日(約2年半)にわたって心臓が正常に鼓動し続けていたと発表した。

   異なる種の間でおこなう臓器移植「異種間移植」は、慢性的な臓器不足に悩まされる臓器移植を待つ患者の救済策になると期待されている。しかし、異種間移植では、患者が強い免疫反応を示し、臓器の拒絶反応と機能不全が起こるため、現在、人に動物の臓器を移植する手術は実施されていない。

   今回の研究では、まず、臓器提供元となるブタに遺伝子操作をおこない、移植先のヒヒの免疫システムに、ブタの心臓が「異物」と認識されにくくなるように調整。その後、ヒヒの心臓とブタの心臓を置き換えるのではなく、ブタの心臓をヒヒの腹部の血管に接続し、もともとある心臓と移植した心臓が、共に正常に機能するかを観察した。

   手術後には、人の移植手術で用いられる、免疫反応を抑える薬剤を投与している。その結果、移植したブタの心臓は正常に機能し、血液の循環機能を維持。残されたヒヒの心臓にも異常はなく、鼓動を刻んでいたという。移植されたのは5匹のヒヒだが、5匹とも重大な拒絶反応などは発生してない。

   今回の研究でブタとヒヒが用いられた理由について、研究者らはブタの心臓が比較的人の心臓と構造上似ており、ヒヒが人と同じ霊長類であるためと説明。今後は、ヒヒの心臓をブタの心臓に置き換える完全移植の実験をおこない、その結果次第では、末期の臓器不全患者へのブタ心臓移植といった、臨床試験へとつながる可能性もあるとしている。

   発表は、2016年4月5日、英科学雑誌「Nature」が運営する オープンアクセスの学術誌「Nature Communications」に掲載された。

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