文字サイズ
標準
大きく

「一夫多妻」はなぜ「一夫一妻」になったのか 「性感染」が抑えられ「出生率」が高まった?

一夫一妻制に医学的な理由アリ
一夫一妻制に医学的な理由アリ

   人間社会が「一夫一妻制」になったのは、性感染症流行を予防するため――予防医学的な観点から現在の社会規範が生まれたとする仮説を、カナダ、ウォータールー大学のクリス・バウチ教授と、独マックス・プランク進化人類学研究所のリチャード・マクエルリアス氏が発表した。

   人類史上、多くの社会では男性の繁殖成功率を高める「一夫多妻制」を許容していたのに、なぜ「一夫一妻制」へと移行したのか、さまざまな議論や研究が存在する。歴史的には、小規模な狩猟採集民社会は一夫多妻制であったが、定住農業の出現から発生した大規模な社会では、一夫多妻制には社会的な罰が用意され、一夫一妻制が多くなっていったという。

   バウチ教授とマクエルリアス氏は、婚姻状態と人口変動のパラメーターや、疾患の流行速度パラメーターを使い、一夫多妻制と一夫一妻制の社会の人口変動をシミュレーションし、何が異なっていたのかを比較した。

   その結果、30人程度の小規模な社会集団では、特に目立った変化はなかったが、集団の構成人数が300人以上になり、社会規模が拡大した状態で一夫多妻制をとった場合、梅毒などの性感染症が社会に定着してしまい、流行を繰り返す「風土病」レベルにまで蔓延することがわかった。

   その逆に、一夫一妻制の社会では、規模に関係なく性感染症の発生が抑えられており、健康状態が良好に保たれているため、出生率も一夫多妻制社会より高くなる傾向にあったという。

   バウチ教授は、今回の研究結果はあくまでシミュレーションによる推測であり、実際には、科学技術レベルの変化や、宗教の発達など、そのほかの要因を加味する必要があるとしているものの、「人類社会における疾患の流行を研究する参考のひとつとなるのではないか」とコメントしている。

   発表は、2016年4月16日、英科学雑誌「Nature」が運営する オープンアクセスの学術誌「Nature Communications」に掲載された。

医師・専門家が監修「Aging Style」

参考文献
Disease dynamics and costly punishment can foster socially imposed monogamy.
DOI: 10.1038/ncomms11219 PMID: 27044573

注目情報

有益で確かな情報をお届けするという編集方針です。

脱衣所やトイレなどとの温度差にも注意が必要です。

スポーツの秋です。スポーツ関連クイズ特集です。

11月11日現在、50名の医師や専門家が「Aging Style」に参加しています!

おすすめ記事
関連サイト

独自の視点でビジネス&メディアをウォッチ。毎日更新。

J-CASTニュース

セール、クーポンから新商品情報まで、その日に使える掘り出しもの情報満載!

東京バーゲンマニア

都道府県を自動判別する日本初の地域ポータルサイト

Jタウンネット