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殺虫剤が効かない新種の「ナンキンムシ」 強さの秘密は表皮が厚くなったためか

   豪シドニー大学とウェストミード病院の共同研究チームは、近年増加しつつある、殺虫剤への強い耐性を持つトコジラミは、耐性を持たないトコラジミよりも、表皮にあたる外骨格部分が厚みを増していると発表した。

これも進化のひとつ? (C) Janice Haney Carr, CDC
これも進化のひとつ? (C) Janice Haney Carr, CDC

   「トコジラミ」は吸血性の昆虫で、シラミとついているものの、セミやカメムシなどの仲間。俗称として「ナンキンムシ」という名称でも知られる。吸血された部位には、かゆみを感じる赤い発疹のような跡が残る。

   日本では、1970年代に殺虫剤などによる駆除が進んだとされていたが、近年海外からの旅行者の荷物にまぎれて持ち込まれ、ホテルや旅館などで発生する例や、スーツケースなどにまぎれ、家庭に持ち込まれる例も確認されている。

   欧米でも再発生が問題視され、「ピレスロイド剤」という、一般的な害虫用殺虫剤での駆除が進められているが、殺虫剤がよく効くトコジラミ集団に比べ、1000~10000倍以上の強い耐性を示すトコジラミが発生していることが問題となっていた。

   研究者らは、一般家庭で発見されたトコジラミにピレスロイド剤を使用し、生存時間の長さによって、「2時間」「4時間」「24時間」の3グループに分類。さらに、1960年から保存され、殺虫剤耐性を持つ以前の遺伝子を持つと思われるトコジラミも加え、それぞれの足を切断し、電子顕微鏡を用いて、断面の外骨格の厚さを計測した。

   10匹ずつ、40匹のサンプルを比較したところ、最も殺虫剤耐性が低い(1960年の保存株)トコジラミに比べ、24時間耐えたトコラジミの外骨格は最大で16%程度厚く、厚みを増すほど、耐性も強い傾向にあることがわかった。

   研究者らは、殺虫剤が表皮を通り抜け、内臓に達するのを防ぐために、表皮が厚くなるよう遺伝子が変異し、耐性を得ていると推測しており、「化学的な耐性を得ているわけではなく、表皮の厚みで防御しているのであれば、浸透力をコントロールすることで、耐性を破ることができるのではないか」とコメントしている。

   発表は、2014年4月13日、米オンライン科学雑誌「PLOS ONE」に掲載された。

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