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実り豊かな老年期

   今僕はある本を読み返している。題名は『サクセスフル・エイジング』。訳せば「実り豊かな老年」とでもなるか。マッカーサー財団のレポートの解説書で、20年前、僕がアンチエイジングに関心を持つきっかけになった本だ。

『サクセスフル・エイジング』
『サクセスフル・エイジング』

   マッカーサー財団は1984年に老人問題をポジティブに見直そうと設立された機関で、10億円の基金で20人近くの学者を動員し、10年ほどかけて綿密な調査を学際的に行った。老人といえば、ボケて徘徊するか寝たきりになって絶えず人の手を煩わせて社会の重荷になるといったそれまでのイメージを払拭し、新しい老人像を打ち出した研究として、高く評価されている。

   『サクセスフル・エイジング』は、財団の委員長であったマウントサイナイ医学校のロウ博士と、共同研究者の一人であるミシガン大学のカーン博士がまとめた一般人向けの啓蒙書である。これがまことに面白い。

   これでもか、これでもかと老人を励ますようなデータが提示され、84歳になった僕でも、ひょっとすると人生はこれからかな、と思わせてくれる。

   委員会のメンバーには医師だけでなく、心理学者、社会学者、老人病学者さらには基礎生物学者まで含まれている。

   財団が行った調査は、1000人ほどのアクティブな高齢者を8年かけて追跡したり、高齢者のストレスへの対応を実験室で検査したりするほか、スウェーデンの双子数百組を対象にしたものや、人間や動物の脳の研究などだ。

   『サクセスフル・エイジング』の冒頭には、以下のような老人に対する偏見6か条が記されている。
①老人は病気がち
②老人は新しいことが苦手
③今からでは何をするのも手遅れ
④こうなったのは親が悪い
⑤老人は活力が落ちている
⑥老人は若者の重荷

   次回からは、僕自身の経験を交え、この6か条の解説を試みていきたい。[執筆/塩谷信幸 北里大学名誉教授、DAA(アンチエイジング医師団)代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 AACクリニック銀座 名誉院長

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