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胎児へのジカ熱感染経路が判明 マウス実験結果、英米の専門誌に相次いで掲載

ワクチンや治療薬の開発が待たれる。画像はジカウイルスの電子顕微鏡写真 (C)CDC
ワクチンや治療薬の開発が待たれる。画像はジカウイルスの電子顕微鏡写真 (C)CDC

   中南米での流行が確認され、世界的に患者が発見されている感染症「ジカ熱」を引き起こす「ジカウイルス」は、胎盤を通して胎児の脳に侵入している――マウス実験の研究結果が、米科学誌「Cell」と英科学雑誌「Nature」で相次いで発表された。

   ジカ熱に感染しても、症状は軽度の発熱(38度前後)や頭痛、体の痛み程度で、感染にも気がつかないとされているが、ブラジルでは、ジカ熱の流行後、脳の発達が遅れる「小頭症」の子どもが増加。2015年以降だけでも1000人以上の新生児に小頭症が確認されており、ジカウイルスとの因果関係の証明が急がれていた。

   「Cell」では、米ワシントン大学の研究者らが、ブラジルで流行しているジカウイルスとほぼ同じウイルス株を妊娠マウスに、「Nature」に掲載されたブラジル、サンパウロ大学の研究チームは、中南米で採取された流行中のウイルス株を妊娠マウスに投与。胎児マウスの状態を観察した。

   いずれの実験でも、小頭症の胎児は確認されていないが、ほとんどの胎児が誕生後すぐに死亡し、生まれたマウスにも重度の発育不全や神経障害がみられた。また、ジカウイルスが母親の胎盤で、血中濃度の1000倍以上に達しており、胎盤から胎児の血管に侵入。その後、脳に到達し、神経や脳の発達を阻害していることが確認されている。

   小頭症が確認されなかった点について、ワシントン大学の研究者らは、マウスと人間の根本的な違いによるものと指摘。サンパウロ大学の研究チームは、培養した人の脳神経細胞にジカウイルスを感染させ、成長や発達が阻害されることを確認しており、両研究とも「人間の胎児への感染、影響も明らか」としている。

   ワシントン大学の研究は2016年5月5日「Cell」オンライン版に、サンパウロ大学の研究は、11日「Nature」オンライン版に、それぞれ掲載された。

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参考論文
Understanding How Zika Virus Enters and Infects Neural Target Cells.
DOI: 10.1016/j.stem.2016.04.009 PMID: 27152436
The Brazilian Zika virus strain causes birth defects in experimental models..
DOI: 10.1038/nature18296

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