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アトピー性皮膚炎の原因遺伝子、理研がマウスで確認 ワセリンを塗れば発症予防も可能か

(理研プレスリリース「Spadeマウスのアトピー性皮膚炎発症メカニズム」より)
(理研プレスリリース「Spadeマウスのアトピー性皮膚炎発症メカニズム」より)

   理化学研究所統合生命医科学研究センター疾患遺伝研究チームの吉田尚弘氏、安田琢和氏らの研究グループは、アトピー性皮膚炎を引き起こす原因遺伝子を、モデルマウスで確認したと発表した。

   アトピー性皮膚炎は、かゆみの強い湿疹とアレルギーのような反応を特徴とする、乳幼児に多く見られる炎症性皮膚疾患。遺伝要因と環境要因の複合によって発症すると考えられていたが、詳しい発症メカニズムはわかっていなかった。

   理研研究チームは、遺伝子配列にランダムな変異を引き起こす「エチルニトロソウレア」という物質を50家系、3000匹のマウスに投与し、突然変異マウスを作成。その中から、かゆがったり、皮膚炎を発症するといった、アトピー性皮膚炎の特徴を持つマウスを選別した。

   このマウスは、清潔な環境で飼育しても、生後8~10週間でアトピー性皮膚炎を発症し、段階を追った病状経過をたどったという。

   遺伝子配列を解析したところ、アミノ酸配列を変えてしまう「JAK1」という変異を確認。JAK1によって、表皮細胞の古い角質と新しい角質の入れ替わりがうまくいかず、角質がはがれやすい状態になっており、皮膚のバリア機能に障害が起きていることもわかった。JAKの発現を阻害する薬剤をマウスの皮膚に塗ってみたところ、実際に発症を遅らせることも確認している。

   また、皮膚バリア機能の低下を改善するため、アトピー性皮膚炎が発症する4週間前からマウスにワセリンを1日おきに塗布したところ、2か月以上、発症を抑制することができだという。

   研究チームは、今後モデルマウスを活用し、アトピー性皮膚炎発症に関わる複数の要因を分子レベル、細胞レベルで明らかにし、それぞれのターゲットを決めた発症予防法や治療法を確立していきたいとしている。

   発表は、2016年4月25日、米国臨床試験学会誌「Journal of Clinical Investigation」オンライン版に掲載された。

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