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毎日やろう、感染対策者のための英語講座40

   毎週金曜日は、感染対策と英語についてのコラムです。

   英語はいまやイギリスとアメリカの言語ではありません。カナダやオーストラリアやニュージーランドを足して、、、という話でもありません。世界共通語が英語ってことです。

   インターネットで使われている言語を比べると、英語がダントツのトップ。日本語は人口に比べると結構頑張っていますが、英語の8分の1程度。情報量の差はあきらかです。

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   http://www.internetworldstats.com/stats7.htm より

   日本は昔から翻訳文化でして、ロシア語にしてもフランス語にしてもドイツ語にしても英語にしてもどんどん翻訳していって吸収していく文化がありました。情報量全体が少なかった時代には、そうやって翻訳でドストエフスキーを読み、スタンダールを読み、マルクスを読み、カントを読み、ケインズを読んで勉強できたわけですが、今のように情報量そのものが爆発的に増大してしまうと、翻訳のスピードは情報量の増加のスピードに全然追いつけません。

   ロシア語やフランス語やドイツ語など英語以外の言語は、少なくとも医学の世界においては、相対的重要度を小さくしています。

   私はときどきシステマティック・レビューという、ある領域に存在する学術論文を全部読みまくるという、無茶苦茶面倒くさい研究をしていますが、見つかる論文は、少なくとも読むに値するレベルの論文はほとんど英語でできています。朝鮮語(ハングル)やリトアニア語の論文をGoogleさんに訳してもらい、そのへんてこな文章を解読するなんて面倒くさい作業は数年に1回あるかないか。あとは全部英語論文です。

   だから、外国語習得といっても、英語だけマスターしておけば医学分野では困らないんです。ラテン語やフランス語やドイツ語やイタリア語はマスターしなくてよいわけで、他領域よりもずっと楽、とすら思います(例外はあるかもしれません。精神科領域ではフランス語が必要になるかもしれませんし、東洋医学のマスターは中国語がペラペラかも知れません)。

   そのような情報を入手できる人と、できない人の情報格差はどんどん広がっています。それは医療の質の格差にかなり密接につながっていると私は思います。

   先日、日経メディカルに「製薬業界に物申す」という座談会があり、海外の学会発表内容をMRさんが教えてくれなくなった、とボヤいている先生方の愚痴が語られていました。

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/report/t270/201607/547483.html

   そこで、このような台詞もありました。

   「患者さんにその薬がどう効くのか、副作用としてどういうことがあるのか、その副作用も見ながら全体のバランスの中でその薬をどう使っていくべきかという情報が欲しいし、人を診るという医療に必要な情報が欲しいのですが、現状は全く不十分です。なぜなら、MR は自社製品の教育しか受けていないからです」

   私は言いたいです。それくらい、自分で調べろよ、と。
学会発表よりも原著論文のほうが査読が厳しくて情報の質が高いですが、そういう論文を読み込んでいる臨床医は少数派に属します。学会発表も、近年はオンラインで公開されていて日本にいながら発表を聞くことができます。そんなとこまでMRに頼ってどうする?と私は悲しくなります。

   なぜなら医者はMRから情報を得る教育しか受けていないからです。

   こんなジョークまで思いついてしまいます。これがジョークであり、真実ではないことを祈ってますが。

[楽園はこちら側 2016年7月8日掲載]

楽園はこちら側
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/

この記事の監修・執筆医師

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