文字サイズ
標準
大きく

毎日やろう、感染対策者のための英語講座49

岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)
岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)

   歯科領域の抗菌薬4

I「もいっこいきましょう。今度は心内膜炎予防です」

   Infective endocarditis prophylaxis for dental procedures should be recommended only for patients with underlying cardiac conditions associated with the highest risk of adverse outcome from infective endocarditis (see "Patient Selection," in the main text). For patients with these underlying cardiac conditions, prophylaxis is recommended for all dental procedures that involve manipulation of gingival tissue or the periapical region of teeth or perforation of the oral mucosa.

M「長い!」
I「大丈夫。ゆっくりやりましょう」

   Infective endocarditis prophylaxisは「感染性心内膜炎の予防」for dental proceduresは「歯科手技における」で、ここまでが主語

   should be recommended only for patients with
「主語」は、ほにゃららの患者にのみ推奨されますってこと。
で、with 以下にどんな患者やって説明があります。それが、
underlying cardiac conditions
もともとある(underlying)心疾患(cardiac conditions)のある人(だけ)ってこと。

   で、さらに細かい説明が続いて、
associated with the highest risk of adverse outcome from infective endocarditis となります。associated withは「なんとかに関連した」、the highest risk of adverse outcome from infective endocarditisは「感染性心内膜炎のためにおきるよくないアウトカムのリスクがめっちゃたかい(ことに関連する)」ってこと。

   要するにもともと心疾患があって、それがIE(心内膜炎)のハイリスクな場合のみ、予防投与は許容されますよってこと。

   ちょっと飛ばして、、、、

   For patients with these underlying cardiac conditions
は、こうしたもともとある心疾患のある患者に対しては、、てこと。for とかwithの使い方にだんだん慣れてきたのではないでしょうか。

   prophylaxis is recommended for all dental procedures
予防投与は全ての歯科手技に対して推奨されます。ほら、知らない単語、ゼロでしょ。で、歯科手技の説明が続きます。
that involve manipulation of gingival tissue or the periapical region of teeth or perforation of the oral mucosa.
歯肉組織(gingival tissue)や歯根先端周囲(periapical region of teeth)や口腔粘膜の穿孔(perforation of the oral mucosa)があるような、(歯科手技)ってことです。

   gingivaは歯肉。periapicalはぶっちゃけ私も知らない単語でしたが、apicalはapex、先端の意味です。periは「なんとかの周囲」って意味なので、periapicalは「先端の周囲」ってことが分かります。英語は分解です。regionは「部位」とか「場所」という意味。lesionは「病変」という意味なので、間違えんな、日本人。

   perforationは「穿孔」。これは消化管穿孔(perforation of intestine)など、応用範囲の広い頻出医学英語です。「パーフォった」とかいう医者は別にパーになったわけではないんです。oralは「口の」、mucosaは「粘膜」です。解剖学用語は医学の文章で頻出ですよ。メモメモ。

M「要するに、IE予防ってIEリスクの高い心疾患以外に抗菌薬適応ないんですね」

I「そうです。ここでは割愛しましたが、IEリスクの高い心疾患は、"過去にIEの既往"とか"チアノーゼを伴う先天性心疾患"など比較的稀な状況がほとんどです。もっとも、ちゃんと問診とって、そういう人には抗菌薬必要ですが、歯科領域ではほとんど"予防的抗菌薬"は必要ありません」

M「なるほど」

I「しかも、たとえ予防的抗菌薬が必要でも、それは手技の"最中に"血中濃度が高まるように、手技直前に飲ませます。消化管からの吸収が良いアモキシシリン(サワシリンなど)が第一推奨薬で、しかも2g飲ませます。術"後"に吸収の悪いフロモックスやメイアクトを数日飲ませても全く意味がありません」

M「あれってなんのおまじないなんでしょうね」
I「ま、たまには効果があるのかもしれませんね」
M「?」
I「なにしろ、メイアクト(may act)ですから」
M「おあとがよろしいようで」

   英語は難しくありません。少しずつ学んでいきましょう。

今日のポイント
・歯科処置における抗菌薬使用はほとんど必要ない
・心疾患があり、IE予防が必要な場合は術「前」にアモキシシリン。
・詳しくはガイドラインを読みましょう。
 http://jada.ada.org/article/S0002-8177(14)62745-8/pdf

今日学んだ単語:underlying, cardiac conditions, gingival, periapical, perforation, oral, mucosa

[楽園はこちら側 2016年7月21日掲載]

楽園はこちら側
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/

この記事の監修・執筆医師

注目情報

有益で確かな情報をお届けするという編集方針です。

2015年の世界の平均寿命は71.8歳、健康寿命は62.8歳となった。

意外と知らない薬の基礎知識をクイズで学びましょう。

11月11日現在、50名の医師や専門家が「Aging Style」に参加しています!

おすすめ記事
関連サイト

独自の視点でビジネス&メディアをウォッチ。毎日更新。

J-CASTニュース

セール、クーポンから新商品情報まで、その日に使える掘り出しもの情報満載!

東京バーゲンマニア

都道府県を自動判別する日本初の地域ポータルサイト

Jタウンネット