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毎日やろう、感染対策者のための英語講座60

岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)
岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)

   毎週金曜日は、感染対策と英語についてのコラムです。

I「突然ですが、この英語講座は来週はちょっとお休みです」
M「お盆休みですか?」
I「違います。本当は続けるはずだったのですが、のっぴきならない事情が生じてしまいました」
M「といいますと」
I「昨日、WPRO(WHOの西太平洋地域事務局)から連絡があって、フィリピンで流行している下痢症対策支援の要請を受けたのです」
M「ええ?、いつからですか」
I「明後日には発ちます。いちおう、1週間の予定です」

M「残務はどうなるんですか!残務は!マニュアル全部改定しろって言ってたの、I先生じゃないですか!」
I「ま、それはMさんがよしなに。もともと書類作りとかマニュアル整備とか嫌い、苦手ですし」

M「それにしても、また急ですね。エボラのときも熊本地震も突然でしたもんね」
I「まあ、感染症の場合、予定を立てて2年前からスケジュール入れてってわけにはいきませんから。突発時は想定内です」
M「でも、先生が海外支援に行けるのも英語のおかげですね」

I「はい、うまく話を誘導してくれましたね。その通りです。もともと日本の国際緊急援助は災害対策、救急医療的な要素が大きかったのですが、2014年のエボラ出血熱流行を受けて感染症の国際緊急援助も重要になってきました。現在もJICAから、コンゴ民主共和国で流行している黄熱病対策に専門家チームが派遣されています。感染症のプロもますます国際化が進んでいるのです。
http://www.jica.go.jp/information/jdrt/2016/20160719.html

JICAからの派遣であれば、日本のスタンドアローンなチームを作れば多くの業務は日本語で可能です。しかし、現地の政府や医療関係者との折衝や、他の国際機関との強力、調整は英語で行われます。今回のようにWHOから直接派遣依頼が来る場合は、仕事のパートナーは非日本人であることがほとんどです。とくに感染症対策ではリスク・コミュニケーションが重要になりますから、中途半端な英語力ではかえって足を引っ張ってしまいます」

M「どのくらいの英語力が必要なんですか」
I「そうですね。職種や業務によっても異なりますが、オンゴーイングなアウトブレイクを診療現場も含めて対策を取る場合は、日本で"あなた、英語がとてもお上手ですね"と褒められるくらいの実力では全く通用しない、と思ってください」
M「大丈夫です。上手とか、言われたことありませんから」
I「え?」

   というわけで、「毎日やろう」とか言っときながら、来週はお休みです。バックナンバーの復習時間にあててくださいませ。すみません。

[楽園はこちら側 2016年8月5日掲載]

楽園はこちら側
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/

この記事の監修・執筆医師

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