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どんな細胞からでもテロメアの長さを3時間で検出 老化だけでなくがん診断も可能に?

検出の効率化が研究をさらに推し進めるか(画像は国立遺伝学研究所プレスリリースより)
検出の効率化が研究をさらに推し進めるか(画像は国立遺伝学研究所プレスリリースより)

   国立遺伝学研究所の前島一博教授らのグループは、細胞の老化やがん化で重要な役割を担っている「テロメア」の長さを、採取した細胞の切片から、簡便かつ素早く検出できる方法を開発したと発表した。

   「テロメア」は細胞の中に存在する染色体の末端を保護している部位。細胞分裂ごとにテロメアは少しずつ短くなっていくため、老化の目安になるとされている。また、ある種のがん細胞では、テロメアの長さが極端に短くなっており、がん診断の指標にもなると考えられている。

   これまで、テロメアの長さを検出するには「FISH法」と呼ばれる蛍光色素で着色する方法が利用されていたが、実験に1日以上かかり、細胞内の構造を壊すおそれのある熱や有機溶媒処理も必要とするため、課題も多かった。

   前島教授らは、テロメアにだけ特異的に結合する蛍光色素「ピロール・イミダゾール(PI)ポリアミド化合物」を開発。熱処理などを必要とせず、細胞の標本と混ぜるだけでテロメアを標識でき、簡単に着色をおこなうことができるという。

   すでにマウスや人から採取した細胞標本の着色には成功。マウスの精巣を対象に、生殖細胞や体細胞など、異なる細胞のテロメアを区別して着色することにも成功している。さらに、試験的に食道がんと、がん化していない細胞の組織切片のテロメアを着色し、テロメアの長さを比較したところ、食道がん細胞のテロメアが短くなっていたことも確認したという。

   すでにPIポリアミド化合物は大量合成にも成功しており、今後、老化やがん化におけるテロメアの研究が加速することが期待される。発表に関する研究は、2016年7月6日、Nature系列のオープンアクセス科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

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