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毎日やろう、感染対策者のための英語講座65

岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)
岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)

   毎週金曜日は、感染対策と英語についてのコラムです。

M「それにしても、海外ではどんな仕事してたんですか?」
I「それは守秘義務があって詳しくは言えないんですが、まあ、感染対策です」
M「それじゃ、説明になっとらんわ、ごらあ」
I「まあまあ。でも、こういう海外のミッションで強く感じたのはプリンシプルの重要性です」

M「プリンシプルってなんですっけ」
I「Principle、まあ原理とか原則とか言いますけど、自分のミッションの目指す根本的な基準みたいなもんですね」
M「ふーん」

I「昔から思ってたんですけど、日本の感染管理って徹底的に"ノウハウ型"なんです。今回みたいに採血の時は手袋替えるか否か、みたいな。"こういうときは、ああやる"、という"ノウハウ"で徹底している。これは日本の感染管理が看護サイド主導でやってることと無縁ではないと思います。日本の看護も昔から"ノウハウ"ですから」
M「なるほど」

I「しかし、外国に行って感染対策をするとこういう"ノウハウ"型はすぐに破綻します。日本とは扱ってる疾患も違うし、病院のスペックやリソースも予算規模も職員の数も、行政や法律のあり方すら全然違う。"日本ではこうやってます"と言っても、"うちではできません"でおしまいです」
M「うーん、そうかもしれません」

I「だから、その時大事になるのは目標設定です。"なるほど、いろいろ困難はあるでしょうが、結局現在の感染症をどうしたいのですか?ゼロにしたい?程々にしたい?現状維持でOK?"と聞くのです。で、その設定された目標に向かっていくことが原則、プリンシプルになります。方法論は、与えられたリソースが自動的に教えてくれます。日本とは同じような対策はもちろんできません」
M「ふむふむ」

I「地震の時などの災害対策も同様です。ああいうときは、こうする的な"ノウハウ型"対策だと"できません"でおしまいです。"どこまでできるか"と目標に肉薄する態度と工夫が必要になります」
M「私たち、ついつい、"こういうときはどうすればいいんですか"って聞きますもんね」

I「ええ、私は最近そういう質問には、"そういう質問の設定そのものがおかしいです"と若干意地悪な答えをしています。そろそろ日本の感染管理(や看護)も"ノウハウ型"を脱する時期です。行政や医療機能評価とかも"あれができている""これができていない"とまさに"ノウハウ型"の評価しかできていません。あれがそもそも悪い」
M「あ、またぶっちゃけ発言や」
I「あんだって?」

[楽園はこちら側 2016年8月26日より転載]

楽園はこちら側
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/

この記事の監修・執筆医師

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