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毎日やろう、感染対策者のための英語講座80

岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)
岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)

   毎週金曜日は、感染対策と英語についてのコラムです。

M「なんか、今回の論文を読むと、帝王切開の時はアジスロマイシンかませとかなきゃって思いました」
I「うーん。原著論文を読んで現場のプラクティスを変える時は、けっこう注意が必要です。例えば、この研究は予定手術は除外してるんですね。Discussionのところを読むと、著者もそのことをlimitationにあげています。

A limitation of our study is the exclusion of women undergoing a scheduled cesarean section and those with intrapartum chorioamnionitis. These exclusions limit the generalizability of our findings in these two groups.

ということで、generalizability、一般化可能性に問題あり、って著者自身が述べています。日本の患者さんにどのくらいureaplasma保有率があるのか、みたいな問題もあるので日本で使える知見となるかはも少し検討が必要ですねえ」
M「うう、金曜日は英語は出さないって約束じゃないですか」
I「そうだっけ?いいのいいの、だいぶ慣れてきたから、英語がでないとむしろ寂しく感じませんか?」
M「そんな変態じゃありません」

I「ところで、優れた論文は必ず優れたlimitationをあげています。論文の問題点をきちんとlimitationにあげておけば、letterで批判されずに済みますしね(それはもう言ってますよ~、と返せますから)。

いろんな投稿論文を査読をしていて思いますが、一般に日本の研究者はlimitationを書くのが苦手ですね。嫌いと言ってもよい。なかにはlimitationまったくなしで投稿してくる人もいてびっくりします。どんだけ無敵感つよいんや、って感じです。

あと、日本の学術誌にはそもそもletterが投稿されませんよね。大阪大学の仲野徹先生がおっしゃっているように、「日本人は、ほんとうの意味でのディスカッションが苦手」なんです(「科学者の考え方ー生命科学からの私見。In 内田樹編「転換期を生きるきみたちへ」晶文社)。

議論ってのは相手を論破して打ち負かすのではなく、対話を繰り返してより質の高いものを目指すことなんです。学会のシンポジウムとか、先生たち、自説を演説してるだけで、全然人の話聞いたり、途中で意見変えたりしないでしょ」

M「朝ナマがそうですねえ。あんだけ長時間議論しといて、意見が変わる人をひとりも見たことありません。意味ないじゃん」
I「Mさんも、80回目にしてだいぶ、英語好きになってきたでしょ」
M「先生は、あんま変わってませんね」
I「年をとると頑迷になるんです。反省」

[楽園はこちら側 2016年10月7日より転載]

楽園はこちら側
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/

この記事の監修・執筆医師

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