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高血糖の影響は脳にも及ぶ? 「海馬萎縮」確認、九州大グループ

生活習慣見直しは早いほど良い(画像は九州大学論文情報より)
生活習慣見直しは早いほど良い(画像は九州大学論文情報より)

   糖尿病患者では脳萎縮が起きており、特に海馬の委縮が顕著――ひとつの疾患によって別の問題が引き起こされている可能性を指摘する研究が、九州大学の研究チームによって発表された。

   研究は、九州大学が1961年から福岡県久山町で実施している生活習慣病の追跡調査研究「久山町研究」から、2012年に実施された循環器健診と頭部MRI検査の結果を解析し、同町に住む65歳以上の高齢者1238人(男性540人、女性698人)の糖尿病と脳萎縮、海馬萎縮の関連を検討したもの。

   久山町研究は住民の年齢構成や職業、生活環境などが全国平均と限りなく近く、平均的な日本人の集団を対象とした疫学研究としては高精度と評価されている。

   MRI検査では対象者の全脳容積(脳そのものの容積)、頭蓋内容積(頭蓋骨内の容積)、海馬容積を測定。糖尿病の既往歴や糖尿病に関連する様々な因子と、全脳萎縮の比率、海馬萎縮の比率などとの関連を、想定される他の要因の影響は調整して分析している。

   その結果、糖尿病患者は非患者に比べ脳が有意に萎縮しており、特に海馬の委縮が進行していることがわかった。

   患者内で比較すると、食後血糖値(食後2時間以内の血糖値)が高い患者ほど萎縮率が高く、健康診断などの測定項目で一般的な、空腹時血糖値との関連は見られなかったという。

   さらに、中年期(今回の研究では24年前)の健診時に糖尿病と診断されていた患者は、老年期に診断された患者に比べ萎縮傾向が顕著で、糖尿病の罹病期間が長いほど、より脳萎縮が進行しやすいことが示唆されている。

   研究チームは、以前の久山町研究で糖尿病がアルツハイマー病の発症や老人斑の形成と関係するとした報告があることから、今後さらに解析をすすめ、糖尿病など糖代謝異常がアルツハイマー病を引き起こすメカニズムの解明につなげたいとしている。

   発表は、米国糖尿病学会誌「Diabetes Care」2016年10月1日号(volume 39, issue 10)に掲載された。

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