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「ケトン食」で高齢者の認知機能が向上か 糖を極端に減らし脂肪を増やす

日々の食事が脳の若さを保つ?(画像は国立精神・神経医療研究センタープレスリリースより)
日々の食事が脳の若さを保つ?(画像は国立精神・神経医療研究センタープレスリリースより)

   「ケトン食」を食べることで、高齢者の認知機能の向上が期待できるとする研究結果を、国立精神・神経医療研究センター神経研究所の疾病研究第三部・太田深秀室長、功刀浩部長らと株式会社明治の共同研究グループが発表した。

   一般的に脳は糖をエネルギー源としているが、長時間の絶食や極端な高脂肪低糖質な食事を続けたときなど糖が不足すると、脂肪酸や一部のアミノ酸が肝臓で「ケトン体」に変えられ、糖に変わるエネルギー源として利用することができる。

   「ケトン食」は糖の摂取を極端に減らし、摂取エネルギーの60~90%を脂肪にすることで、積極的にケトン体を利用する状態にする食事療法のひとつで、小児の難治性てんかんの治療に取り入れられていることで知られる。

   共同研究チームは、加齢や何らかの要因で脳が正常に機能しなくなると、糖をエネルギー源とすることができなくなることから、ケトン体をエネルギー源に置き換えると、認知機能を改善できるのではないかと推測。認知症を発症していない60歳以上の高齢者19人を対象に、ケトン食の影響を調査した。

   調査内容は、対象者に現在医療用のケトン食として医療機関に販売されている粉ミルク「明治ケトンフォーミュラ」と、対照食(同カロリーのミルク)を、それぞれ別の日に摂取してもらい、血中のケトン体濃度の変化と認知機能テストの成績を比較するというもの。

   テストの内容は、読み上げられる数字の並びをどれだけ正確に、同じ順序で復唱したり、逆の順序で復唱し、点数化する「作業記憶テスト」と、テスト用紙に無作為に配置された数字と平仮名を「1→あ→2→い→3→う・・・」という順に、線で結び終えるまでの時間を測定し、点数化する「遂行機能テスト」の2種類。

   調査の結果、ケトン食を摂取した場合、対象食と比べて血中ケトン体濃度が高く推移し、一連の認知機能テストの総合成績が高いという結果が得られた。

   また、対象者を、対照食を摂取した時の認知機能テストの総合成績が低かった群と高かった群に分けたところ、成績の低かった群でケトン食による総合成績の向上がより顕著に見られたという。研究は、2016年8月27日、精神薬理学分野の専門誌「Psychopharmacology」オンライン版に掲載された。

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