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ネットで偽造ED治療薬があふれている! 本物との見分け方は? まずは医療機関で診察を

   インターネット上で購入できるED(勃起不全)治療薬の約4割が偽造品――製薬会社4社による調査で驚くべき実態がわかった。

   海外からの持ち込み件数も急増しているようだ。2015年に日本の税関で差し止められた偽造薬は1030件と、10年前の約100倍に。その大半が偽造ED治療薬だという。なぜ偽造ED治療薬が蔓延するのだろうか。

健康被害も多数報告

   ED治療薬といえば、まず「バイアグラ(一般名:シルデナフィル)」を思い浮かべるかもしれない。このほかにも現在国内で承認され、販売されているED治療薬は、「レビトラ(一般名:バルデナフィル)」「シアリス(一般名:タダラフィル)」があり、シルデナフィルのジェネリック医薬品もある。

   日本には問屋制度が存在するため、医療機関や薬局で購入する医薬品はまず間違いなく正規品だ。問題があるのは、個人輸入などを装ってインターネット上で販売されているものだ。

バイアグラの偽造品の一例。一見しただけでは真正品との違いは判断できない
バイアグラの偽造品の一例。一見しただけでは真正品との違いは判断できない

   2016年11月24日に、ファイザー、バイエル薬品、日本新薬、日本イーライリリーの4社が合同で行ったプレスセミナーで、同社が調査会社を通じ、インターネット上の個人輸入代行業者が「海外製の本物」「ジェネリック製品」などとして販売していたED治療薬45品を購入。鑑定したところ、35.6%が偽造品だったことが判明したと発表。

   偽物でも効果が同じなら構わない、などと考えてしまうかもしれないが、偽造品の品質はまったく予想がつかない。有効成分の量が間違っていたり、不純物が混入していたり、そもそも有効成分が全く入っていないものもある。

   こうした偽造薬によるものと思われる健康被害も多数報告されている。「気分が悪くなった」「不整脈が出るようになった」「意識不明になり救急搬送された」など症状もさまざま。2011年には呼吸困難で死亡した男性から、偽造ED治療薬を服用した痕跡が見つかった。最悪の場合死に至る可能性もあるのだ。

   インターネット上で購入する方が安いという意見もあるが、シアリス(20ミリグラム)を例に挙げると、医療機関で正規品を購入した場合2014円だが、インターネット上での販売価格を見ると、1222~3863円と、必ずしも正規品より安くないものもある。

   効果がないどころか健康被害にあう可能性があるものを、わざわざ正規品よりも高価格で買わされるリスクもある。注意が必要だ。

医師の診察を受けるのが恥ずかしい

   こうしたリスクがありながら、なぜ偽造薬リスクの高いインターネットでの購入者が後を絶たないのか。

   ひとつは、ED(勃起不全)が男性にとっては非常にセンシティブな問題で、医療機関で診察を受けることに恥ずかしさや抵抗を感じてしまうことにある。

   国内で中・重度のED患者数は1130万人に達するとされており、軽度の患者も含めるとさらに増えるという。しかし、ED治療薬を服用したことがある人のうち、診察を受けて処方された人は9%程度と、圧倒的に少ない。

   ED治療薬をネット購入したことがある人を対象にしたアンケートでは、97.5%が「ネット上には偽造薬が出回っている」と危険性を認識している。そして、75.4%が「本物と偽物の見分けがつかない」と回答しているにもかかわらず、なぜか87.7%の人が「自分が購入したものは本物」と回答している。4割近くが偽造品である現状を考えると、まったく根拠のない楽観論だろう。

   ネット上や週刊誌などでは、しばしば「100ミリグラムは偽物」という説が出てくる。確かに、バイアグラは「25」「50ミリグラム」の錠剤とODフィルム、レビトラとシアリスは「5」「10」「20ミリグラム」の錠剤が正規品として販売されており、バイアグラの100ミリグラムは国内未承認。レビトラとシアリスに至ってはそもそも100ミリの正規品が存在しない。

   だが、承認されている正規品を装って「20」などと刻印された偽造薬も存在しており、これらの数値を目安に、消費者が真贋を判定するのは無理だ。

不安ならまずは医療機関で診察を

   偽造薬を回避し、正規品による適切な治療を受ける最善の方法は、医療機関で診察をうけることだ。

   診療科については、特定の科に限定されているわけではなく、泌尿器科や内科など多くの診療科で診察が受けられる。EDや性機能、男性更年期などの専門外来も存在するので、そうしたクリニックなどを利用するのもいいだろう。

   診療科以上に気になるのが、いつ、どのようなタイミングで診察に行けばよいのか、という点だ。例えば、「何となく勃起しづらくなったような気がする」程度でも受診してよいのだろうか。

   男性医療の専門家であり、泌尿器科医である順天堂大学医学部附属浦安病院の辻村晃医師は、「EDはQOL疾患と言えます。自分が満足する、あるいは自分が期待するレベルに達していないと感じたのであれば、いつ受診いただいても問題ありません」と話す。

   何だか気になるから、とりあえず病院に行ってみよう位の気軽さでも問題ないようだ。

   個人の満足度によるところも大きいため、受診の目安となる自覚症状なども存在しないが、辻村医師によると、「朝立ちの回数が減った」といった理由で訪れる人も少なくないという。

   「正規品かどうかわからない治療薬を、何らかの方法で入手した人も多く訪れます。わざわざ診察に行くのは面倒、恥ずかしい、と考えるかもしれませんが、偽造品を服用した場合のリスクは計り知れません。絶対に偽造品に手を出さず、まずは診察を受けてください」

[監修:辻村晃 順天堂大学医学部附属浦安病院先任准教授]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

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今年は昨年より多いとの予報です。

偽薬と認識したうえでの服用効果の研究は珍しい。

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