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いよいよ花粉症シーズン 予防と治療の基本を知って乗り切ろう

   例年、2月上旬から飛び始めるスギ花粉。花粉症の人にとっては、つらいシーズンの始まりです。できる限りの対策をして、上手に乗り切りましょう。

早めの花粉対策を!
早めの花粉対策を!

予防策は2週間前から

   花粉症は、体内に入った花粉(異物)を排除しようとして、人間の身体が起こす免疫反応の一種です。主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎や、目のかゆみなどのアレルギー性結膜炎ですが、まれに喘息やアトピー性皮膚炎を併発することもあります。

   近年、花粉症患者が急増している原因には、花粉の飛散量が増えたことに加え、食生活の変化や腸内細菌の変化、大気汚染、喫煙、ストレスなどの影響が指摘されています。

   スギ花粉は飛散開始から1週間~10日前後で量が増え、その後、4週間程度がピークとなります。予防策を講じるのは早目が肝心。飛散開始2週間前が目安です。

   セルフケアは生活リズムを整え、免疫機能と鼻の粘膜を正常に保つことが大切です。この時期はとくに意識しましょう。

・適度な運動と良質な睡眠を心がける
・食事は栄養バランスよくとる
・たばこは控える。お酒もほどほどに
・風邪をひかないよう注意。手洗い、うがいは念入りに

   医療機関も早目に受診しましょう。抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬など、薬で症状を抑える対症療法が基本ですが、症状が出始める前か、まだ軽い症状のうちに服用し始めると、発症を遅らせたり、症状を軽減したりする効果があります。

花粉を入れない、ためない、持ち込まない

   ピーク時には、なるべく花粉を避けること。とくに、晴れて気温が高い日や、空気が乾燥して風が強い日、雨が降った日の翌日などは、花粉が多く飛びます。また一般に、1日の中では昼前後と夕方に多く飛散します。

   そんなときは、できれば外出は控えたいもの。室内では、花粉の多い時間帯にはドアや窓は閉めておく、掃除はこまめに行い(窓際はとくに念入りに)、空気清浄機を活用するなど、花粉を「入れない、ためない」工夫が大切です。外出の際は、完全防備で出かけましょう。露出部分を少なくするのがポイントです。

・マスクは隙間から花粉が侵入してこないよう、顔にフィットするものをつける
・花粉対策用のメガネをかけ、目に入る花粉の量を減らす
・髪に花粉が付着するのを防ぐため、帽子やスプレーなどでガードする
・衣服は、すべりやすい生地で、花粉がつきにくいものを選ぶ

   花粉はできる限り、室内に持ち込まないよう努力しましょう。家に入る前に、衣服についた花粉をはらい、コートやカバンなどは部屋の中に持ち込まないこと。また、帰宅したらすぐに、うがいはもちろん、洗顔もしっかりと行いましょう。

   睡眠の環境も重要です。髪についた花粉が枕につかないよう、洗髪は念入りに。寝具は清潔に保ち、寝室には空気清浄機を置きましょう。

花粉症が治る? 舌下免疫療法とは

   不快なアレルギー症状を薬で抑える対症療法では、根本的な改善にはならず、毎シーズン薬を飲み続けなくてはなりません。根治の可能性が期待されているのが、アレルゲン免疫療法です。

   アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因物質(アレルゲン)のエキスを、少しずつ量を増やしながら体内に吸収させることで、アレルゲンに対する反応を弱め、根本的な体質改善を期待する方法です。即効性があるものではなく、数年かけて正確に治療を続けることで、効果が長期間持続し、対症療法で用いる薬物の使用量を減らすことができます。

   主に、注射による皮下免疫療法と、舌の下の粘膜から投与する舌下免疫療法があります。従来は皮下免疫療法が中心でしたが、近年、スギ花粉症の舌下免疫療法が保険適用になり、期待が高まっています。

   皮下免疫療法と比べて通院回数が少なく済み、自宅で投薬できるとはいえ、治療期間は最低2年。その間、毎日薬を飲み続けなくてはならず、月に1度は通院する必要があります。また、まれにアナフィキラシーなどの重篤な副反応が起きることも。デメリットも理解したうえで、治療を希望する場合は専門医に相談を。ただし、現在、舌下免疫療法を行っている医療機関は限られています。事前に確認してから受診しましょう。

[監修:山田秀和 近畿大学医学部 奈良病院皮膚科教授、近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長]

医師・専門家が監修「Aging Style」

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