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誰でもできる研修医指導46

岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)
岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)

D「ネズミの王国のネズミの中には本当は人が入っている」
S「はい」
D「しかし、それは王国内部の了解事項だ。外的にはあのネズミは「本物」という「話」になっている」
S「なるほど」
D「もしかしたら、王国の中にも内紛はあるかもしれない。見解の相違、方針の違い、ネズミとアヒル(の中の人)のキャラや意見の違いもあるかもしれない」

S「はあ」
D「でも、それを外に見せたらダメでしょ。ネズミとアヒルは外的にはケンカもしないし、そのエートスは完全に一致している。このコヒーレンスが外的には重要なんだ」
S「なんか、例え話が無理やり過ぎてわけわからなかったですが、だんだん分かってきました。要するに外では見解の相違は存在してはいけないってことですね」
D「BはAに確認して、どうしても必要な変更だったら「事情が変わりまして」と整形外科の先生に説明すればよかったんだ。もし変更がそこまで必須なものではなく、例えば薬理学的にマニアックな些細な違いであればAの方針を踏襲するのが筋だ。侃々諤々の議論はインナーサークルでやれば良い。でも、外的にはAとBの見解は100%合致している。たとえ合致していなくても、そのように見せかけねばならない。それがチーム医療というものだ」
S「そうですね」

D「内的、外的問題はとても大事だ。理想的なのは内的には丁々発止の議論を行い、外的には100%の仲良し集団でいること(少なくともそのように振る舞うこと)だ。最悪なのは、逆。中では仲良しに見せかけといて外的に同僚、上司、部下の陰口、悪口を言う。これはチーム医療では絶対のタブーだ」
S「ああ、でもそういうのってありそうですね」
D「あるとも、俺なんか面と向かって批判されることはまずないが、外で陰口はよく叩かれてる」
S「気づいてたんですか?(やべ)」
D「当たり前だ。俺はあちこちに草の者を放っているからな。情報戦においては絶対的に有意な立場にいるんだよ」
S「あなた、院内で何やってんですか」

D「ま、とにかく医療現場においては「首尾一貫した態度」くらい面倒くさいものはない。自分の置かれた場所によって振る舞い方をどんどん変えていくことが大事だ。特に内的、外的な態度の使い分けはチーム医療においてチームを内的、外的に強固にするためには必須のスキルといってよい」
S「そうですねえ。上司におべんちゃら使うような態度のコロコロ変わるのはやですけどね」
D「その通り。上司にこそ、真剣に噛みつけるくらいが上等だ」
S「先生の真似はしたくありません」

第46回「チームの見解は一致させよう」その2 終わり

続く。

この物語はフィクションであり、DとSも架空の指導医です。
[楽園はこちら側 2017年2月10日より転載]

楽園はこちら側
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/

この記事の監修・執筆医師

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