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誰でもできる研修医指導48

岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)
岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)

D「カンファレンスは集団で行う。当たり前だな。集団のただ1人がしゃべってるのは講義といっしょだ。講義は記憶に残りにくい」
S「そうですね」
D「みんなが参加する参加型学習、アクティブ・ラーニングは各人が積極的に参加するから、学習効果が高いとよく言われる。でも、日本ではグループ学習も受け身なので、学者がいうほど成果は上がらない」

S「まあ、そうですね」
D「要するに、日本の研修医は受動的でお子ちゃまだから、成人教育理論なんて役に立たないんだよ」
S「またそんな恐ろしいことを」
D「だから、だ。仕掛けが必要になる。お子ちゃまでも成人教育理論は可能だ。お子ちゃまが自分が成熟した大人だと錯覚したときだ」
S「なるほど」
D「どんどん仕掛けて、研修医の意見を聞け。研修医に意見を言わせろ。研修医のアセスメントを言わせろ。想定している治療法を言わせろ。すぐに教えるな。焦らせ。チラ見させろ。医学教育なんてAVと本質はそんなに変わらん」
S「げげげ」
D「いやいや、日本人だからと言って、AVを強制的に見せられてるやつはいないはずだ。みな積極的に能動的に見るはずだ。日本人だからなんでもパッシブと決めつけるな。医学教育とAVは同じ、は、決して戯言でも暴言でもない」
S「そうかなあ、戯言で、暴言だと思うけど」

D「実は日本人のようなアジア人は集団催眠にかかりやすいところもある。新興宗教に騙されやすく、同調圧力に負けやすく、カラオケとかで意味もなく盛り上がることができるのも個性がない故だ。個性の無さをアダルト・ラーニングができない言い訳にするな。個性がなければ、集団催眠にかけて積極的に参加するのが当たり前、という空気を作ればいいんだ。そうすれば草食系も暗示にかかって肉を食うようになる。同調圧力を逆手に取るんだ」
S「ああ、なんとなく納得いきますね。同調圧力が強いってことは、積極参加の雰囲気があればみんな発言するようになるってことですね」
D「そう、みんな発言してるのに自分だけクールに発言しないみたいな「勇気」のある日本人研修医は少ない。また、仮にそういうやつがいたとしても、得てしてそういうやつはだまってしっかり勉強するクールガイだから、ほっといても大丈夫だ」
S「最後のセリフだけは説得力ありました〜」

第48回「カンファレンスを議論の場にしよう」その2 終わり
続く。

この物語はフィクションであり、DとSも架空の指導医です。

[楽園はこちら側 2017年2月12日より転載]

楽園はこちら側
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/

この記事の監修・執筆医師

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