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誰でもできる研修医指導50

D「俺がとくに利用しているのは研修医、それから学生だ」
S「えええ???そんなのありですか?」
D「もちろん、アリだ。研修医が質問してくるだろ。俺が答えを知らないとする。いや、全く知らないってことはめったになくて、確かそれは何年かまえのどっかの論文に載ってたな、みたいなうっすらした記憶はある。あるいは、「そういう話はUpToDateかDynamedPlusに載ってそうだな」と当たりをつける。あるいは「そういうのは普通、PubMedでClinical Queriesで調べれば見つかりそうだ。もし見つかんなかったらエビデンス皆無と判断しちまえばいい」という判断も成り立つ」
S「なるほど」

岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)
岩田健太郎(神戸大学感染症内科診療科長・国際診療部長)

D「見通しを付けるのは、指導医の能力と経験のなせる業だ。しかし、研修医の質問のためにこちらの貴重な時間を割くのはぶっちゃけ、面倒くさい。だから、アウトソーシングするんだよ。他ならぬ研修医自身に」
S「え~~~~、すごい企業秘密聞いちゃったような、、、、」
D「きみ、それは◯年あたりのNEJMに載ってると思うよ。よかったら調べてみないかな、、、なんて言うのさ。「よくなんかありません」という研修医は皆無で「分かりました、やってきます」と調べてくる。見つけてきたらそれを読んで「そうそう、よく見つけてきたね。なかなか優秀じゃないか」とおべっかの一つも使えば研修医なんてイチコロ、だれも不満には思わない。俺自身もぼんやりしていた論文をはっきりさせて大満足。Win Winだよ~ん」
S「いや、それは明らかに研修医が搾取されてるような、、、」
D「そんなことはない。「こういう問題は、PubMedのClinical Queriesで調べてご覧?なに?Clinical Queries使ったことがない?そういうのはあそこにいる後期研修医のC先生に教えてもらってご覧。な~に、ああ見えてもC先生は「案外」優秀なところもあるんだよ」。これで研修医は勉強でき、勉強法を習得でき、C先生は頼りになるやつだという錯覚を起こさせ、困ったときは俺じゃなくてC先生にまず聞こうという習慣も身につくから、俺は研修医に煩わされなくてすむ」
S「うわ~~~、なんかいい話聞いてんだか、悪い話なんだか分かんなくなってきました」

D「持ちつ、持たれつなんだよ。俺はノウハウを伝授する。もっと正確に言えば「ノウハウのノウハウ」かな。ノウハウを習得するためのノウハウを身につけた研修医は今後も同じようにしていろんな問題を解決する能力がつく。10も100も新たな情報を得る能力が身につく。しかし、俺が単に1という情報を教えただけなら、研修医には1という情報しか残らない。どちらが研修医にとって有益かは誰の目にも明らかだろう」
S「きべーん」

第50回「研修医をだしにして勉強しよう」その2 終わり

続く。

この物語はフィクションであり、DとSも架空の指導医です。

[楽園はこちら側 2017年2月14日より転載]

楽園はこちら側
http://georgebest1969.typepad.jp/blog/

この記事の監修・執筆医師

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