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毎日の入浴は健康にいい? 実は肌にダメージの危険も

   入浴は、清潔を保つだけでなく、血行を良くし、疲れを癒してくれる「健康習慣」というイメージがあります。しかし、入浴の仕方によっては、肌の健康を損なうこともあるので注意が必要です。

うるおい成分がお湯に溶け出す?!

   長くお湯につかっていると、皮膚がふやけてきます。肌がやわらかくなり、しっとり潤っているように見えますが、実はこのとき、肌からは、うるおいが逃げ出しやすい状態になっています。

角層は外部刺激や乾燥から人体を守る大切な器官(写真はイメージ)
角層は外部刺激や乾燥から人体を守る大切な器官(写真はイメージ)

   皮膚の表面は、0.2ミリほどの薄い表皮で覆われています。その一番外側にある角層は、角質細胞が10~20層積み重なってできており、外部からの異物の侵入や水分の喪失から肌の内部を保護し、うるおいを保っています。

   これを「バリア機能」と呼び、主に、皮脂膜と天然保湿因子(NMF)、角質細胞間脂質の3つがカギを握っています。

   皮脂膜は、皮脂と汗などが混じりあってできたもので、肌表面からの過剰な水分の蒸発を防ぎます。角質細胞の中にあるNMFは、アミノ酸や乳酸などから成り、水分を吸収し、保持する性質があります。

   そして、角質細胞間脂質は、「セラミド」などの脂質と水分子が重なり合って角質細胞の間を埋めしっかりした構造を保つことで外部の刺激から肌を守り、水分の喪失を防いでいます。

   長時間お湯につかっていると、角層が膨潤して、これらの成分がお湯に溶け出してしまいます。その上、せっけんやタオルなどで体をごしごし洗うとダメージはさらに大きくなり、肌のうるおいはどんどん奪われてしまうのです。

春は肌への刺激が増える

   肌が乾燥するとバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなります。刺激でかゆみを生じることもあり、掻くと肌荒れが悪化して、さらにバリア機能が低下するという悪循環に。肌のバリア機能を正常に保つには、正しい入浴方法と、入浴中や入浴後の保湿が重要です。

   お湯の温度は、少しぬるめ(38~40度くらい)が適切です。とくに、長風呂や、熱いお湯がお好みの方は、保湿効果のある入浴剤などを入れるのがおすすめ。入浴による肌の乾燥を防いでくれます。タオルなどで、体をごしごしと洗うのは厳禁。石けんやボディソープをよく泡立てて、やさしく洗いましょう。

   入浴後の肌は、急速に乾燥が進みます。放っておくと、肌の水分量は、入浴前より減少してしまうというデータも。タオルでやさしく拭いたらボディ用乳液などの保湿剤を塗り、水分の喪失を防ぎましょう。

セラミドの働きを助ける保湿剤でバリア機能を維持する(写真はイメージ)
セラミドの働きを助ける保湿剤でバリア機能を維持する(写真はイメージ)

   入浴剤や保湿剤には、セラミドと同じ働きをする成分を配合したものがおすすめです(商品には「セラミドケア」、「セラミド成分配合」などと表示されています)。

   セラミドは、単なる保湿成分ではなく、角質細胞間脂質の50%を占め、肌のバリア機能の要となる成分です。不足すると乾燥肌の原因になることが知られています。

   春は空気の乾燥に加え、紫外線や花粉の影響で肌への刺激が増える時期です。毎日の入浴習慣を見直し、お風呂上がりの保湿は欠かさずに行いましょう。

[監修/水谷 仁 三重大学大学院医学系研究科皮膚科学教授]

医師・専門家が監修「Aging Style」

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