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【第7回】「再生医療は進歩し続けている」富士フイルム再生医療事業本部長 兼 再生医療研究所長 畠 賢一郎氏

細胞や臓器を生かす時代へ

塩谷:畠さんはこれまで、日本唯一の再生医療専門企業であるジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)で自家培養表皮や自家培養軟骨などの開発を手がけられ、誰も挑戦したことがなかった「再生医療の産業化」に取り組んでこれらましたが、今はどのような研究を進めていらっしゃるんですか?

:培養した細胞や臓器が、移植した後に安定して長く生きていくことができる方法を模索しています。現段階の再生医療では、移植した細胞や臓器に栄養を運ぶ血管が届きにくく、栄養不良で死んでしまうケースが多いため、その問題を解決することが課題です。

塩谷:そこにも写真フィルムの技術が活かされているんですか。

:写真フィルムの素材として使われていたコラーゲンの技術を活かして、独自に開発した新しいタイプのコラーゲンを使った研究を進めています。これは、富士フイルムの化学研究における基盤技術があるからこそできる研究です。

塩谷:最後に今後の展望をお聞かせください。

:再生医療研究は、いかにして目的の細胞を培養するかという時代から、移植した細胞をいかにして生きながらえさせるか、その方法を検証する時代へと変わりつつあります。異分野の研究チームとも協力し合えるこの環境を最大限に生かして、さまざまな可能性を視野に入れつつ、実用化に向けて取り組んでいきたいと思います

塩谷:再生医療研究が将来、化粧品などにも生かされる可能性は。

:機能性を持った化粧品の開発は個人的にも興味があるところで、一部研究を始めている領域もあります。次の10年で、さらに大きな進歩が期待できる分野だと思っています。

◆◆◆

富士フイルム再生医療事業本部長 兼 再生医療研究所長
畠 賢一郎(はた・けんいちろう)氏

1991年広島大学歯学部卒業、1995年名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。名古屋大学大学院にて培養口腔粘膜細胞を用いた口腔内組織再建に関する基礎的・臨床的研究に従事。その後、骨、末梢神経、循環器等、さまざまな組織再生医療の開発に携わる。口腔外科としては顎変形症、口蓋裂の集学的治療を専門とし、再生医療との橋渡し研究を模索した。2002年には名古屋大学医学部附属病院遺伝子再生医療センター助教授も務めた。 2004年株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング取締役研究開発部長、2013年より常務取締役事業開発室長に。日本初の再生医療製品である自家培養表皮ならびに自家培養軟骨を上市するとともに、角膜再生のための培養角膜上皮を手がけている。2015年富士フイルム再生医療研究所長、2017年再生医療事業本部長に就任。

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