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一目ぼれのナゾを探る(下) 似たもの同士がひかれあう?

   「似たもの夫婦」という言葉がありますが、最初から似た人を選んでしまうのか、長年連れ添っているうちに似てしまうのか、夫婦の関係を研究した例から心理学ではどう考えられているのかを探ります。

自分に似ている人に魅力を感じる

   心理学の研究では、似た人を選んでしまうのか、または連れ添っているうちに似てくるのかは、どちらのケースもあることが示されています。

お互いに魅かれ合うのにも理由がある
お互いに魅かれ合うのにも理由がある

   例えばイギリスの研究者、ペントン・ボークらが行った研究では、自分の外見に似た人に魅力を感じることが示されました。

   その実験とは、参加者に顔写真を見せて魅力的かどうか点数をつけてもらうというもの。結果は、自分に似ていない人の顔写真よりも、自分の顔写真に他人の顔を合成して自分に似せた顔写真のほうが魅力的だと判断して、高い点数を付けた人が多かったというのです[1] 。

   また、性格や経済状況といった目に見えない点についても似たもの同士が引かれ合うことはたびたび研究で明らかになってきたことです。

恋の始まり方によっても変わる?

   一目ぼれで恋に落ちた夫婦と、徐々に関係を育んだ夫婦とではどちらが似たもの同士なのでしょうか。

   オランダの研究者バレルズらが137組の夫婦もしくは同棲中のカップルを対象に興味深い調査を実施しました[2] 。彼らの研究では、一目ぼれで一緒になったのはそのうち40%にのぼり(つきあうようになる前に友達だったカップルは22%程度,ある程度時間をかけてお互いを理解してから恋愛関係になったカップルは34%程度)。意外にもその多さに驚かされます。また、一目ぼれの夫婦たちは外向性や感情の安定性、自分のやりたいと思うことを自由に行える自律性といったパーソナリティの性質に違いが見うけられましたが、夫婦関係の質それ自体は、他のカップルのタイプと違いはありませんでした。

   この研究から言えるのはお互いが似ているかどうかは、どのようにその関係が始まったかによっても異なるということです。

[執筆:川畑秀明 慶應義塾大学文学部心理学准教授]

かわばた・ひであき/専門は感性心理学、認知神経科学。主観性と経験価値の心理とその脳メカニズムを研究し、主に、芸術、美、魅力、ユーザー・エクスペリエンス、デザイン、ユーザビリティ、感性教育、鑑賞行動の解明に努める。ヒトの主観はあいまいで非常に影響を受けやすいため、その影響の関係や因果性に関する心と脳の働きを明らかにし研究に活かす。著書に『脳は美をどう感じるか―アートの脳科学』(ちくま新書)がある。

医師・専門家が監修「Aging Style」

参考文献
[1]Penton-Voak, I. S., Perrett, D. I., & Peirce, J. W. (1999). Computer graphic studies of the role of facial similarity in judgements of attractiveness. Current Psychology, 18, 104-117.
[2]Barelds, D. P., & Barelds-Dijkstra, P. (2007). Love at first sight or friends first? Ties among partner personality trait similarity, relationship onset, relationship quality, and love. Journal of Social and Personal Relationships, 24, 479-496.

この記事の監修・執筆医師

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