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5月2日:自閉症と健康 1(Autism Speaks(NPO)の最新レポートより)

   このブログは第一線の学生や研究者に読んでいただいているが、難解な表現が多くあるにもかかわらず、専門外の方々にも読んでいただいている。そこで今日から3日間は連休特集として、論文紹介ではなく、最近Autism Speaksと呼ばれる米国NPOから発表された「Autism and health(自閉症と健康)」と題された特別レポートを紹介しようと思っている。

   このレポートはAutism Speaksのウェッブサイトからダウンロードできる。このレポートの目的は、自閉症自体の治療ではなく、自閉症の患者さんがかかりやすい様々な病気についてわかりやすく解説することだ。内容は、
1)自閉症とてんかん
2)自閉症と消化器の異常
3)自閉症と不眠
4)自閉症と食事
5)自閉症と精神衛生
6)自閉症と突然死
からなっており、自閉症の方々に起こりやすい病気をあらかじめ知ってもらって、できるだけ健康な生活を送ってもらうための情報を提供している。

   私は自閉症の専門家では全くないが、このレポートの前書に、「自閉症を持つ人たちの平均寿命が36歳である」と書かれているのに驚いた。これを知ると、自閉症を全身疾患として捉え直し、少しでも健康な生活を送ってもらうことを目的とするこのレポート重要性は計り知れない。本来ならAutism Speaksの許可を得て紹介するのが筋だろうが、日本の人にも正確な情報が届くなら、おそらく問題にはなるまいと、私の一存で紹介することにした。

自閉症とてんかん

   てんかんの発症率は1-2%だが、自閉症の方ではなんと発症率が20-33%で、就学前と思春期に発症のピークが見られる。自閉症の約1/3を占める知的障害(IQ70以下)を併発するケースで発症率が高くなる。

   21編の論文をまとめた最近の研究は、てんかんが自閉症の死因の7~30%を占めることが示されており、自閉症の健康を守るための最優先項目になっている。

   症状としては、1)何かをじっと見つめる発作、2)筋肉硬直、3)四肢の不随意発作などが特徴的だが、もともとてんかん自体は多様な症状を示すので診断は専門家に相談することが最も大事だ。てんかんが自閉症に多いことをしっかり認識するのが、患者さんや家族にとって重要な点だ。

   てんかんの治療については専門家に任せることになるが、症状を抑える抗てんかん剤は約2/3の患者さんに効果がある。効かない場合は、迷走神経刺激、あるいはてんかん発作の引き金を脳領域を外科的に除去する場合もある。

   最近自閉症とてんかんを誘導する様々な遺伝的異常が明らかにされてきた。それぞれは、特定の遺伝子の変異による特異的な病気だが、共通のメカニズムがわかると、多くの患者さんに利用できる治療法の開発が期待できる。

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