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社会人が知っておきたいストレス対策 Aging Style×GOOD DESIGNトークレポート(7/上)

自分をつくり変える

   並河氏はこれまで自身が取り組んできた仕事の中から「社会と自分―自分のあり方をデザインする」というテーマに合った事例を紹介。

   まずは、東日本大震災後に石巻などで行った「自分の新しい肩書を考え、名刺をつくるワークショップ」を例にあげた。例えば、福祉の仕事をしている女性は、以前カーレースに関わっていた。そこでピットインをする時のように手早く確実な介助ができる「音速の福祉ウーマン」といった名刺を作った。

「震災後、復興現地の方々と交流しているうちに、以前の職業とは違う形でさまざまなことを始めている人が多くらっしゃいました。自分のことを見つめ直し、自分にしかない肩書きを見直すことで、社会の中での役割や今までとは違う自分への気づきや発見の活動になるのではと企画しました」(並河氏)

電通デジタル執行役員・並河進氏
電通デジタル執行役員・並河進氏

   また、並河氏は日々のストレスのひとつとして、例えば「お金を持っているかどうか」など自分を世の中にある「基準」に照らし合わせていることがあると考え、お金の基準から自由になろうというコンセプトで、お金では売らないオンラインショップ「WITHOUT MONEY SALE」を立ち上げ、運営している。

   商品を買うために愛、知恵、時間のどれかを選択する。「愛」ならその商品に対する愛を原稿用紙3枚にまとめる。「知恵」は、商品を盛り上げるアイデアを3つ考える。「時間」は商品づくりを2時間手伝うなど、自分たちで基準をつくろうという試みだ。

   ほかにも失恋した後輩クリエーターのアイデアから生まれた、元恋人との思い出の品を何でも箱に入れて、中古ブランド品を取り扱う業者に査定し買い取ってもらうという「失恋BOX」プロジェクトも手がけた。1回送るごとに100円が途上国の恋人たちを守る支援に使われる。身の回りにあるネガティブをポジティブにする取り組みを紹介した。

   講演後のトークセッションで、古賀教授はストレス回避にはネガティブをポジティブに変える「認知行動療法」のようなアクションを起こすことも必要だとした。

「人の情緒をどう支えるかが重要。認知が情緒や行動を常にコントロールできるとは限らない。情緒をコントロールするために順序だてて考えたり、形や枠組みをつくってあげたりすることでネガティブな情緒をポジティブな方向へ理屈づけてあげることも大切です」(古賀教授)

   デザインはいろんな視点で考えられる、認知や自分の状態を形にするのもデザイン、リラックスを香りでデザインするというものあるとする並河氏に対し、古賀教授は、デザインは形のあるものだけでなく、形のないものも考えていくことで、新しいアプローチが生まれてくるかもしれないと述べた。

医師・専門家が監修「Aging Style」

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