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【特集記事】非小細胞肺がん治療における血管新生阻害薬の現状と今後

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   オンコロでは、がん治療に関する様々なトピックスについて、全国のオピニオンリーダーにインタビューを実施し、対談形式にて皆さんにお届けしております。

   今回は、近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門教授 中川 和彦先生に「非小細胞肺がん治療における血管新生阻害薬の現状と今後」について、お話を伺いました。中川先生は、第55回日本肺癌学会学術集会会長、西日本がん研究機構(WJOG)理事長でもあり、がん情報サイト「オンコロ」のメディカル・サポーター代表を務めて頂いております。

肺がん治療における血管新生阻害薬の位置づけ

オンコロ可知(以下可知):非小細胞肺がんにおいては、かねてから「EGFR遺伝子変異陰性」「ALK遺伝子転座陰性」「全身状態が良好な」「75歳未満」「非扁平上皮癌」の患者さんに対する一次治療として、プラチナ製剤併用療法に血管新生阻害薬の一種である抗VEGF抗体ベバシズマブ(商品名:アバスチン)を併用する治療法が肺癌診療ガイドラインにて掲載されており、更には2016年改訂時に「非扁平上皮癌」および「扁平上皮癌」に対する二次治療以降の治療法として、ドセタキセル(商品名:タキソテール)と血管新生阻害薬の一種であるVEGFR2抗体阻害薬であるラムシルマブ(商品名:サイラムザ)が追加されました。そもそも、血管新生阻害薬とはどういった作用を行う薬剤でしょうか。

中川先生:がんは大きくなるために栄養が不可欠です。がんが大きくなっていく過程において、元からある血管から腫瘍血管という新しい血管が作られます。腫瘍血管をとおり腫瘍組織に酸素や栄養が運ばれ、また、腫瘍血管をとおりがん細胞が全身に運ばれて転移がおこります。血管を作る過程において、血管上皮成長因子(VEGF)と腫瘍細胞上の発現する血管上成長因子受容体(VEGFR)が関与しています。VEGFとVEGFRだけが血管新生に関与するわけではありませんが、これらを阻害するための薬剤の開発が進み、非小細胞肺がんにおいては、抗VEGF抗体であるアバスチンが使用され、2015年には新しくVEGFR2抗体であるサイラムザが承認されました。これらの抗体が働くことによって、がん細胞の悪性化を防ぐことが期待されます。

   これらの薬剤は、既存の治療法と併用として使用されます。

   アバスチンにおいては、非小細胞肺がんの一次治療におけるプラチナ併用療法とアバスチン併用において、様々な臨床試験の結果から奏効率が2倍程度上昇し、無増悪生存期間(PFS)も延長しました。しかし、全生存期間(OS)においては一部の臨床試験によっては有意差が認められていないため、アバスチンの有用性については疑問視されている部分もあります。

   一方、サイラムザは、非小細胞肺がんの二次治療において、ドセタキセルとの併用におけるドセタキセル単剤との比較で、奏効率、無増悪生存期間、全生存期間においてその有効性が確認されています。

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