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乳幼児の健康格差、都道府県で拡大中 戦前の1920~30年代のレベルに悪化

    乳幼児の死亡率は全国的に減ったのに、都道府県ごとの死亡率を使った「健康格差」が急速に広がり、戦前のレベル並みに悪化していることが、国立成育医療研究センターの研究で明らかになった。

   研究内容は国際小児科専門誌「Pediatrics International」(電子版)の2017年5月23日号に発表された。研究者は「子どもの貧困や栄養不足問題が影響しているのでは」と指摘しているが、真の理由は分かっていない。

なぜ子どもの健康格差が広がっているのか
なぜ子どもの健康格差が広がっているのか

ここ十数年で再び格差が広がっている

   同センターの発表資料や同誌の論文要約によると、研究チームは1899年~2014年の115年間の人口動態調査をもとに、0~4歳の死亡率(出生1000人あたりの年間死亡者数)の年次ごとの変化や都道府県ごとの数字を算出、都道府県間のばらつきを分析した。その結果、全国的に見た場合、5歳未満の死亡率は1899年の238人から敗戦直後の1947年に123人、2014年に3人と、一貫して減り続けた。

   この間、都道府県格差を表す指数(注:数値が少ないほど格差が小さい)が、戦前は0.01前後だったのが、戦後は一気に拡大し、高度成長期の1962年にはピークの0.027になった。これは都市部で医療水準が高まったのに農村部が追いつかなかったためだが、その後、医療制度の改革により格差は縮小、1990年代には0.005未満の最小レベルに縮まった。しかし、2000年代に入ってから格差は再び拡大に転じ、14年は0.013にまで上昇した。これは戦前の1920~30年代のレベルと同じだ。

   乳幼児死亡率は戦後間もない頃は、岩手や青森など東北地方で高く、東京や大阪など大都市で低かった。しかし、近年は順位が毎年入れ替わり、地域ごとの傾向がつかみにくくなっていて、本当のところは分かっていない。ちなみに、14年の乳幼児死亡率は、佐賀、群馬などが最も低く、栃木、鳥取などが最も高かった。

   研究チームは、発表資料の中で、「子どもの健康の地域間格差が、近年悪化していることが示されました。子どもの貧困が社会問題になっています。子どもの健康格差がどうして広がっているのか、原因を突きとめるためにさらに研究を進めます」とコメントしている。

[J-CASTヘルスケア 2017年6月13日より転載]
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