文字サイズ
標準
大きく

ナッツやビタミンDなど、身近にあるものが意外にも大腸がんの治療成績を向上させる可能性 ASCO2017

as_20170703125334.jpg

   オプジーボやキイトルーダなど免疫チェックポイント阻害薬をはじめ、がん患者の全生存期間(OS)、無病悪生存期間(PFS)を延長させる最新の新薬には高額な費用がかかる。

   たしかに、費用に比例してがんの治療成績は良くなる傾向があるが、時として安価でも治療成績を向上させる意外な治療方法が発見されることもある。そして、その治療方法はごく身近に存在するものであったりする。

   6月2日から5日まで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2017)で報告された2つの研究報告がそのいい例だ。その2つの研究報告によればナッツ(アーモンド等)、ビタミンDを摂取することで大腸がんの治療成績は向上する可能性を示したものであった。これら研究報告についての詳細は以下の通りである。

アーモンドナッツ代表されるtree nuts摂取にてステージ3大腸がんの再発・死亡リスクが低下、一方、ピーナッツは低下せず

   ナッツを1週間に2オンス(1オンス=28.3495g)以上摂取する人は、摂取しない人に比べでステージ3大腸がん患者の治療後の再発リスクは42%下がり(P=0.03)、死亡リスクも57%下がり(P=0.01)、統計学的にも有意であったことが、ダナ・ファーバーがん研究所のTemidayo Fadelu氏による研究報告により明らかになった。

   本研究は、1999年から2007年にCancer and Leukemia Group B(CALGB)が実施した大腸がんステージ3を対象とした術後徐化学療法に関する臨床試験(CALGB89803、NCT00003835)に参加した方に対して調査を行っている。すなわち、手術、化学療法による治療を受けたステージ3大腸がん患者(826名)を対象に、治療後にナッツをどのくらいの量食べたか?また食べたナッツの種類は何か?を問うアンケートに基づいて実施された報告である。

   アンケート結果では、ナッツを全く摂取しない方は145名、1か月に1オンス以下の方は98名、1か月に1~3オンスの方211名、1週間に1オンスの方214名、および1週間に2オンス以上の方158名に分かれ、これらの方が大腸がんの再発および生存に関して解析されている。

   本研究が興味深いのは年齢、性別、BMI、遺伝子変異(KRAS変異、BRAF変異)などのステージ3大腸がんの再発危険因子と同様に、ナッツ摂取量が再発に影響を与える独立した因子である可能性が判ったことはもちろん、ナッツの種類によっても治療成績に差が出る傾向が認めらた点である。

   本研究におけるナッツとは、アーモンドナッツ、ヘーゼルナッツ、ウォールナッツ、カシューナッツ、ペカンのことを意味し、アメリカで最も消費量が多いナッツであるピーナッツは含まれていない。ピーナッツバターを含むピーナッツを1週間に2オンス以上摂取する人とそうでない人も本研究で比較されたが、再発率も死亡率も統計的に有意な差が見られなかったのだ(DFS HR 0.81[p=0.46]、OS HR 0.60[p=0.11])。

   たしかにピーナッツは「ナッツ」と名前に入るが、厳密にはナッツに属さない豆類であり、その代謝構造はアーモンドナッツなどと異なるため治療成績に差が出たのかもしれない。しかし、ピーナッツバターを塗った焼きたてのトーストをこよなく愛する筆者にとって非常に残念な結果であった。閑話休題。

注目情報

有益で確かな情報をお届けするという編集方針です。

腹囲、BMIが基準値未満でも安心できない

高齢者の健康や孤独感に大きく影響することとは

意外と知らない薬の基礎知識をクイズで学びましょう。

2017年5月現在、49名の医師や専門家が「Aging Style」に参加しています!

おすすめ記事
関連サイト

独自の視点でビジネス&メディアをウォッチ。毎日更新。

J-CASTニュース

セール、クーポンから新商品情報まで、その日に使える掘り出しもの情報満載!

東京バーゲンマニア

都道府県を自動判別する日本初の地域ポータルサイト

Jタウンネット