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増加する美容医療トラブル、医師の技術力向上やホームページ規制改善を訴える 日本美容皮膚科学会2017レポート(4)

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美容医療トラブルは絶えない(画像はイメージ)

   シミやシワなどの内科的な美容医療を対象とする日本美容皮膚科学会(会頭=山田秀和・近畿大奈良病院教授)が2017年 7月29、30日、大阪市で開かれ、皮膚科医ら1350人が参加した。29日午前の最初のシンポジウム「美容医療の諸問題」では、患者のために何をなすべきかが大きな焦点になった。

未承認の薬や材料が安易に使われている

   形成外科・美容外科を専門とする大慈弥裕之・福岡大医学部教授 (形成外科) は、シワ取り注射で1300万円を請求された事件を例に「人生を豊かにするはずの美容医療が不幸にしている」と、医療トラブル防止の重要性を強調した。

   背景にはインフォームド・コンセントの不足、説明不十分がある。ホームページを見て受診する患者は多いが、ホームページには不正確な内容が少なくなく、消費者庁は広告規制の見直しを進めている。

   日本美容外科学会(JSAPS)は厚生労働省に昨年、美容医療の質、使う薬・器具・材料の安全性を高めるよう申し入れた。大慈弥教授は、技術や知識不足の医師が多く、未承認の薬や材料が医師の個人輸入で安易に使われている現状の改善を訴えた。

「アイドル○○さんが選んだ」条件を変えた過大広告

   2人目のシンポジストは同学会を支援している秋野公造・参議院議員 (公明党) 。長崎大医学部を卒業した医師で、厚生労働省勤務を経て議員に転身した。胃がんの原因と見られるピロリ菌除去が保険適用と認められるまでの議員活動の報告を中心に、豊胸用の注射材、医療用手袋など美容・医療材料や器具への対応にも触れ、さらなる行政への要望を問いかけた。

   18年 8月開催の次期学会会頭でもある横浜市・クイーンズスクエアメディカルセンターの尾見徳弥医師 (皮膚科) は美容医療の広告がテーマだった。尾見医師は内閣府の消費者委員会、消費者庁などの行政の仕組みと、そこに寄せられた美容関連相談が 5年間で 5割も増加中であり、美容はトラブルの多い商品を対象とする特定商取引法に含まれているとした。

   また、「アイドル○○さんが選んだ」、条件を変えた使用前後の比較写真など過大広告とされる例にも言及した。

   討論では、学会に患者の苦情窓口設置の必要性、学会未加入の問題医師への対応法など が関心を呼んだ。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

医師・専門家が監修「Aging Style」

第35回美容皮膚科学会総会・学術大会
シンポジウム1 「美容医療の諸問題」
※敬称略
座長:
川島 眞 (東京女子医科大学)
山田 秀和 (近畿大学医学部奈良病院)
演者:
大慈弥 裕之 (福岡大学医学部 形成外科学)
秋野 公造 (参議院議員)
尾見 徳弥 (クイーンズスクエアメディカルセンター 皮膚科)

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