文字サイズ
標準
大きく

美容医療は保険がきく?きかない? 意外と知らない保険のルール 日本美容皮膚科学会2017レポート(7)

   大阪市で開かれた日本美容皮膚科学会では3テーマで教育講演が行われた。2017年 7月30日の午前 9時15分からは尾見徳弥医師(皮膚科)の座長で、保険診療、自費診療がテーマ。

   早朝なのに予想を超えた参加者で座席は埋まり、立ち見の聴衆も出たが、いずれも熱心に耳を傾けていた。

保険で使える機器や薬は決められている

   「知らないと怖い保険のルール」を話したのは、大阪医大病院医療管理室長の上田英一郎教授。上田教授は皮膚科准教授から2014年 4月厚生労働省近畿厚生局の指導医療官となり、16年11月に大学に戻った経歴の持ち主だ。

保険診療のルール、知っていますか?
保険診療のルール、知っていますか?

   保険診療をするには医師が自らの意思で保険医登録をし、保険のルールを守る必要遵守する義務がある。しかし、医学教育や研修医時代にこのルールを学ぶ機会がほとんどないのが実情だ。

   上田教授は、保険医が保険診療を行う上で守らなければならない基本的な規則を具体的に定めた「療養担当規則」と、保険医療機関および保険医への「指導・監査」について解説した。

   保険請求できる医療機器および薬剤は、細かく決められている。

   「特定診療報酬算定医療機器の定義等について」の一部改正について、厚労省からの通知によると、例えば、炭酸ガスレーザーでは経尿道的レーザー前立腺切除術のみ診療報酬請求が可能である。また、ニキビが保険薬では治らないからと途中で自費診療に切り換えると、一連の診療とみなされ、初診にさかのぼって自費になる、といったルールだ。

   保険診療の周知のため、厚生労働省は指導をするが、指導後、監査の対象になるのは不正請求や不当治療が疑われた時だけで実際はまれだが、これらの不適切な診療が確認されると保険医療機関の取り消し等の行政処分の対象となる。

   続いて「保険診療と自費診療の法的意義」と題して話した大阪弁護士会の田邉昇弁護士は、名古屋大医学部卒の臨床医に加えて弁護士になった。多くの医療裁判の内容を紹介した著書でも知られている。

   医療裁判の半分は和解になり、判決で病院・医師側が敗訴するのは 2割程度。事故当時の医療水準であれば許される。田邉弁護士は実際の判決を例に示しながら解説した。

   裁判所は最近では添付文書やガイドライン重視の傾向が見られ、鑑定は少なくなった。「適応外や特殊な治療は十分に説明しておくことが重要だ。また、どのように伝えたか、まめにカルテに書いておくことを勧めたい」と強調した。(医療ジャーナリスト・田辺功)

医師・専門家が監修「Aging Style」

第35回美容皮膚科学会総会・学術大会
教育講演2「保険診療と自費診療」
※敬称略
座長:
尾見 徳弥 (クイーンズスクエアメディカルセンター)

演者:
上田 英一郎 (大阪医科大学附属病院 医療管理室)
田邉 昇 (中村・平井・田邉法律事務所)

注目情報

有益で確かな情報をお届けするという編集方針です。

腹囲、BMIが基準値未満でも安心できない

高齢者の健康や孤独感に大きく影響することとは

意外と知らない薬の基礎知識をクイズで学びましょう。

2017年5月現在、49名の医師や専門家が「Aging Style」に参加しています!

おすすめ記事
関連サイト

独自の視点でビジネス&メディアをウォッチ。毎日更新。

J-CASTニュース

セール、クーポンから新商品情報まで、その日に使える掘り出しもの情報満載!

東京バーゲンマニア

都道府県を自動判別する日本初の地域ポータルサイト

Jタウンネット