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医師が医師に伝える「レーザーシミ取り」の重要点・第17回抗加齢医学会より

   毎年、秋になるとアクセスが増えるのが「レーザー」「シミ取り」の記事。

   楽しく過ごした夏の紫外線ダメージが「目に見えるカタチ」となって現れるころですよね。

   そこで今日は、シミ治療についてベテラン医師からのメッセージをご紹介します。

   今年の6月におこなわれた「第17回抗加齢医学会総会」の初日・6月2日の開会式直後のシンポジウム1「容貌・皮膚の若返り」のなかで「レーザー・光治療による若返り」というテーマでご講演されたのが湘南鎌倉総合病院形成外科・美容外科部長の山下理絵先生。

   開始前に抄録(講演の要旨が1000字前後で書かれています)を読んだところ、とてもわかりやすく「なるほど」と思いました。

学会抄録。全273ページ。すべて保存して資料としています。
学会抄録。全273ページ。すべて保存して資料としています。

   そこで山下先生にご相談しました。抄録の内容をブログでご紹介させていただきたい。その際は一般の方々にわかりやすい表現に変えさせていただきたい、と。

   ご快諾いただき、一般向けの表現にした原稿をチェックしていただいたので、こちらに掲載します。

   特に、「シミにはレーザー」と思っている方に読んでいただきたいです。
       ↓

   皮膚の若返りを希望する患者さんで、最も希望が多いのはシミの治療です。

   多くの患者さんは「シミ治療=レーザー治療」と思っているので、レーザーを希望して受診します。しかし、すべてのシミが同じレーザーの照射で改善するわけではありません。 シミの治療で最も重要なのは医師の診断であり、それぞれのシミに合わせた治療法を選択することです。

   つまり、シミ治療=レーザー治療というのは間違った考え方であり、患者さんの思い込みを正すことから治療は始まります。

   シミは、今まで美容医療と縁がなかった中高年の患者さんが、治療を始めるきっかけとなることも多いため、効果とともに(新たな悩みとなりがちな)合併症の少ない治療法を選択することが大切。

   さらに、新たなシミを作らない予防法を説明する必要もあります

   シミの原因が疾患か加齢か生活習慣か、表皮性か真皮にも及んでいるか? 初診時には、視診でなるべく多くの情報を得ることが必要です。中でも重要なのは、患者さんが治療を希望するシミだけを診断するのではなく、素顔での診察、顔面、頚部、手背部(手の甲)などの皮膚の状態、フォトエイジング(光老化)の状態なども含めて診断すること。これにより治療成績も上がると考えています。

   実際のシミ治療は非常に奥が深く、われわれ黄色人種の肌は炎症を起こしやすいという難しさ、個人差の大きさなどに直面し、多くの患者さんの中で日々悪戦苦闘しているのが現況です。レーザー・光治療では、照射後の熱傷、それによる炎症炎症後色素沈着(PIH)、シミ(肝斑)の憎悪などは多く起こる合併症です。治療を行う場合は、これらの合併症とともに、その治療を知っておく必要があります。
(以上。行替え、太字は私の判断で行いました)

   ご講演の中では

「一口にシミと言っても、ADM(あざに分類される後天性真皮メラノサイトーシス)、母斑、日光角化症などさまざまで、原因も性質も違う」
「シミにいきなりレーザーを使うことはせず、プレトリートメントとしてトラネキサム酸やビタミンC・Eの服用や外用剤(美白剤など)の塗布も続けてもらっていて、スキンケアを変えただけできれいになった、という感想を得ています」
「レーザーの照射でシミが濃くなることもあります。大人の場合は、ベースに肝斑があるかどうか確認をしています」

   などともお話をされていました。レーザーは確かにシミにも効果がありますが、照射後にいったん、より黒くなる経過をたどるものもありますし、ヒリヒリとした痛みが残ることもあります。自分でホームケアを行う必要もあります。

   患者側にとって「らくちん」な治療法とは言い切れない面があります。

   何より、診察をきちんとせず、いきなりレーザーを照射した場合、悪化させる可能性もあるのです。

   山下先生の治療法は、「レーザー照射を最小限にとどめたい」のだとうかがったこともあり、多少時間はかかるかもしれませんが、合併症のリスクは少なく、ケアのスキルは上がり、お財布にも優しいように思います。

   山下先生は北里大学医学部卒。同大学病院の形成外科・麻酔科などを経て現職。シミの治療から手術まで幅広い治療を行う上、多くの学会で座長を務められたり、臨床研究を発表されたりしています。また、現在でも海外まで学びに行かれる行動力あふれる方です。

   皮膚の内側の状況については手術を行なう医師しか知りえないので、いろいろお尋ねすることもあり、尊敬する医師のおひとりです。

   「シミは治療できる」ことが知られたのは大変良いことですが「簡単に取れる」のは誤解です。

   医療機関を受診する際はきちんと診察をしていただき、説明を良く聞き、疑問はたずねることが大切です。
[美容・医療ジャーナリスト海野由利子公式ブログ 2017年10月18日より転載]

美容・医療ジャーナリスト海野由利子公式ブログ
http://ameblo.jp/uminoyuriko/

この記事の監修・執筆医師

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