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一定量の魚介類摂取でうつ病リスクが低下 がん研、日本人の追跡調査から確認

   全国に住む10万人を10年以上追跡調査している「多目的コホート研究(JPHC研究)」のデータ分析から、1日に111gの魚介類を摂取するとうつ病発症リスクが低下していることを確認したと、国立がん研究センターが発表している。

バランスよく魚介類も食事にとりいれよう
バランスよく魚介類も食事にとりいれよう(画像はイメージ)

   近年、欧米を中心に「n-3不飽和脂肪酸」のひとつ、「エイコサペンタエン酸(EPA)」を豊富に含むサプリメントを摂取することでうつ病発症リスクが低下する可能性を示唆する研究が複数発表されている。

   2016年には1日50gの魚摂取、1.8gのn-3系脂肪酸摂取でうつ病の発症リスクを最も下げると報告されたが、研究には日本人のデータがわずかしか含まれておらず、精神科医によるうつ病診断も行われていなかったため、国立がん研究センターが日本人を対象とした検証に取り組んだ。

   今回の研究では、JPHC研究から1990年時点で長野県内の8町村に在住していた40~59歳約1万2000人のデータから、2014~2015年に精神科医による検診を受けている1181人の追跡結果を抽出。

   さけ・ます、かつお・まぐろ、あじ・いわし、しらす、タラコといった魚卵、ウナギ、イカ、タコ、エビ、アサリ・シジミなどの貝類、かまぼこのような加工食品、干物など19品目を魚介類とし、これらの1日の摂取量とうつ病発症リスクとの関係を分析した。

   その結果、1日に魚介類を平均57g食べるグループに比べ、1日平均111g食べるグループでうつ病リスクの低下がみられた。

   また、成分別ではEPAを1日200mg摂取するグループに比べ1日307mg摂取するグループ、「ドコサペンタエン酸(DPA)」を1日67mg摂取するグループと比べ1日123mg摂取するグループでうつ病リスクが低下していた。

   うつ病の発症要因となるようなその他の疾患、がんや脳卒中、心筋梗塞、糖尿病の既往歴を調整しても結果に変化はなかったという。がん研は「n-3系脂肪酸には抗炎症、免疫調整、神経伝達物質調整、神経保護など多様な作用があり、それらが抗うつ効果を示すのではないかと考えられている」と推測している。

   ただし、魚介類もn-3不飽和脂肪酸も摂取量が多ければリスクが低下するわけではなく、ある量でリスクが下がり、それ以上摂取すると影響がみられなくなっていたが、その理由は不明。

   研究結果は2017年9月26日、精神医学分野の学術誌「Translational Psychiatry」オンライン版で発表された。

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